インバータの設定をやさしく図解|最初に触る10項目と順番

インバータの設定は乗る前の準備。車のミラーを合わせる運転席のイラスト インバーター
お悩み
こんなふうに思っていませんか?
  • インバータを据え付けたけれど、パラメータが数百あってどこから触ればいいかわからない
  • そもそも「パラメータ」「基底周波数」「電子サーマル」が何のことかわからない
  • 前の人の設定をまねしたら、うまく動かない
この記事でわかること
  • インバータの設定とは何をすることか(新しい車に乗る前の準備のたとえで)
  • 最初に触る10項目と、その順番の理由
  • モーターの銘板のどの数字を、どの設定に入れるか
  • 基底周波数・上限周波数・加速時間の計算(式の出どころから)
  • メーカーの対応表とチェックリスト

この記事では、インバータの設定を新しい車に乗る前の準備にたとえて、最初から最後まで車の話で説明します。インバータを「モーターのアクセル」と考えると、設定とは、そのアクセルを自分の車に合わせる作業です。上から順に読めば、最後は自分で10項目を設定できるように並べました。

結論|まず30秒でわかる答え

インバータの設定は、新しい車に乗る前の準備と同じで、「前の設定を消す → モーターの情報を教える → 守り(モーターの保護・速さの上限と下限) → 加速と減速の時間 → だれが運転するか(指令の場所)」の順に進めます。最初に触るのは10項目ほどで、残りの数百のパラメータは初期値のまま試運転してから、必要なものだけ直します。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

  1. そもそも「インバータの設定」って何?乗る前のシート合わせです
  2. なぜ設定が要るの?初期値のままだと困る3つのこと
    1. でも、触るのは「10個」だけでいい
  3. 順番の考え方:守りを固めてから、キーを回す
  4. 最初に触る10項目と、その順番
  5. STEP1〜3:前の設定を消し、自分のモーターを教える
    1. STEP1 初期化:前の持ち主の設定を戻す
    2. STEP2 制御方式:走りのモードを選ぶ
    3. STEP3 電源とモーターの情報:車検証を読む
  6. STEP4 基底周波数:シートの位置をモーターに合わせる
    1. 計算1:基底周波数をまちがえると、電圧はいくつ足りなくなる?
  7. STEP5 電子サーマル:水温計の警告を、自分のモーターに合わせる
    1. 計算2:見張りの基準がずれると、どれくらい見逃す?
  8. STEP6・7 上限と下限:スピードリミッターと最低速度
    1. 計算3:コンベアの最高速から、上限周波数を出す
  9. STEP8 加速時間と減速時間:ペダルの踏み方を決める
    1. 計算4:同じ「6秒」でも、機種によって加速の速さが違う
    2. 動かして確かめよう:上限・下限と加速・減速時間
  10. STEP9・10 指令の場所:だれが運転するかを決め、試し乗りする
    1. 試運転:駐車場で試し乗りする
  11. 仕事で使うとき1:メーカーのパラメータ対応表
  12. 仕事で使うとき2:やりがちな間違いと、チェックリスト
  13. よくある質問
  14. まとめ:インバータの設定は、乗る前の準備。守りを固めてからキーを回す
    1. 次に読むべき記事

そもそも「インバータの設定」って何?乗る前のシート合わせです

ひとことで言うとインバータの設定とは、つないだモーターと機械に合わせて、インバータに「数字のメモ」を書き込むことです。

インバータは、モーターの回る速さを変える装置で、車でいえばアクセルです。ただ、買ったばかりのインバータは、どんなモーターがつながり、どの速さまで回してよいのかを知りません。

そこで「つないだモーターはこれです」「この速さより速く回さないで」といった情報を数字で教えます。これがインバータの設定です。

たとえると

新しい車に乗るとき、シートとミラーを合わせ、シートベルトを締めてから走り出しますね。ちょうどよい合わせ方は、乗る人によって違います。インバータも同じで、つないだモーターと動かす機械に合わせて、乗る前の調整をするのが設定です。

インバータの中には、調整のつまみが番号つきで並んでいます。このつまみ1つ1つをパラメータと呼びます。たとえば「上限周波数」には「これより速く回さない」数字を入れます。

パラメータの番号はメーカーごとに違います(「Pr.1」「d2-01」など)が、役目はどの社もほぼ同じです。

この表の見方:左の車の準備が、右のインバータの設定に当たります

車のたとえ本物のインバータでは
車の調整のつまみ(シート・ミラー・リミッター)パラメータ(番号つきの設定の項目)
前の持ち主の設定を元に戻す初期化(工場出荷の値に戻す)
車検証を見て自分の車を知るモーターの銘板を読んで、その数字を入れる
シートの位置を体に合わせる基底周波数をモーターに合わせる
水温計の警告ランプ電子サーマル(モーターの熱の見張り)
スピードリミッターと最低速度上限周波数と下限周波数
ペダルの踏み方(じわっと・急に)加速時間と減速時間
だれが運転するか(自分・代わりの人)指令の場所(操作パネル・外のスイッチ・PLC)
インバータの設定は車に乗る前のシートとミラー合わせと同じであることを示したイラスト

なぜ設定が要るの?初期値のままだと困る3つのこと

ひとことで言うと工場から届いたときの値(初期値)は「だいたいの人向け」。そのままでは、モーターを守れない・回りすぎる・外から動かない、が起きます。

インバータには、買ったときから値が入っています。これを初期値(工場出荷の値)と呼びます。

たとえると

初期値は、新車のシートが「平均的な体格の人」向けの位置になっているようなものです。たまたま体格が合えばそのまま乗れますが、合わなければペダルに足が届かなかったり、ミラーに後ろが映らなかったりします。

初期値のまま回すと、①熱の見張りがインバータの大きさを基準にしていてモーターを守れない、②速さの上限が高いままで機械が回りすぎる、③指令を受ける場所が違って外のスイッチで動かない、の3つが起きやすくなります。

でも、触るのは「10個」だけでいい

ここで「数百もあるパラメータを全部合わせるの?」と心配になった方へ。その必要はありません。据え付けてすぐに触る必要があるのは10項目ほどです。残りのほとんどは、初期値のままでふつうに動くように作られています。

車でも、乗る前に合わせるのはシートやミラーくらいで、エンジンの中まで触る人はいません。つまり、大事な10個を、正しい順番で合わせることが、インバータの設定のすべてです。

数百あるパラメータのうち最初に触るのは10個だけであることを示す図

順番の考え方:守りを固めてから、キーを回す

ひとことで言うと「モーターを守る設定」と「回りすぎを防ぐ設定」を先に入れ、「外から動かせる設定」は最後に入れます。

10項目をどの順で触るかには、はっきりした考え方があります。それは、動かせるようにする前に、守りを固めることです。

たとえると

車に乗ったら、シートベルトを締め、ミラーを合わせてから、最後にキーを回してエンジンをかけますね。キーを先に回して走り出してから、運転しながらシートベルトを探すのは危険です。インバータも同じで、外から運転できるようにする設定(キーを回す)は、守りの設定(シートベルト)をすべて終えてから入れます。

インバータは、指令を受け取れる状態になった瞬間から、外のスイッチや PLC(機械を自動で動かす小さなコンピューター)の信号で動き出すことがあります。そのとき速さの上限が入っていなければ、指令のまちがい1つで機械が速く回りすぎます。

つまり、順番を守るのは「設定の途中で事故を起こさないため」です。最後にキーを回すまでは、インバータは操作パネルから試しに回すだけにしておきます。

守りの設定を先に入れ、動かす設定を最後にする順番を、シートベルトとキーにたとえたイラスト

最初に触る10項目と、その順番

ひとことで言うと準備 → 自分の車を教える → 守り → 動き方 → 運転を任せる、の5つの段に、10項目が並びます。

ここで、10項目を触る順に並べます。4列目の「なぜこの順か」が、この記事でいちばん大事なところです。

この表の見方:上の行から順に設定します。4列目は「この行を前の行より後にする理由」です

順項目何を決めるかなぜこの順か
1初期化工場出荷の値に戻す残った設定の上に足さないため
2制御方式モーターの回し方の方式方式で初期値が変わる項目があるため
3電源電圧と適用モーター電源の電圧・モーターの種類守りの判断の土台になる値
4基底周波数モーターの銘板の定格周波数(50Hz か 60Hz)に合わせるモーターに正しい電圧をかけるため
5電子サーマルモーターの熱の見張りの基準(銘板の定格電流)回す前に守りを入れる
6上限周波数これより速く回さない値指令をまちがえても回りすぎないため
7下限周波数これより遅く回さない値遅すぎる運転での熱のこもりなどを防ぐため
8加速時間・減速時間何秒で速くするか・止めるか急な動きで止まる(トリップ)のを防ぐため
9指令の場所回す・止める・速さの指示をどこから受けるかこれを入れると外から動くので最後
10試運転のあとで直す項目力の足し方・音の高さなど必要なものだけ直すため

次の段からは、STEP ごとに「何を入れるのか」「その数字はどこから来るのか」を見ていきます。

インバータの設定の10項目を5つの段に分けた流れ図

STEP1〜3:前の設定を消し、自分のモーターを教える

ひとことで言うと流用品なら初期化し、回し方の方式を選び、モーターの銘板の数字を書き写して入れます。

STEP1 初期化:前の持ち主の設定を戻す

新品なら飛ばしてかまいません。ほかの設備から外してきたインバータや中古品には、前の設備の設定が残っています。これを工場出荷の値に戻すことを初期化と呼びます。

たとえると

中古車に、前の持ち主のシート位置やラジオの局が残っている状態です。

初期化のやり方は機種で違い、通信の設定まで消えるやり方もあります。取扱説明書で「どこまで消えるか」を確かめてから行います。

実務の判断のコツ

設定を始める前に、そのインバータが新品か、ほかの設備から流用したものかを確かめます。流用品や中古は前の設備の設定が残っているので、最初に初期化(パラメータを工場出荷の値に戻すこと)をしてから始めます。前の設定の上に足していくと、どの値が意図したもので、どれが残りものなのか、あとで誰にもわからなくなるからです。

STEP2 制御方式:走りのモードを選ぶ

モーターの回し方の方式で、いちばん単純なのは、周波数に比例して電圧を上げるV/f 制御です。センサレスベクトル制御は、電流から回り方を推しはかり、ゆっくりでも力を出しやすくする方式です。

ファン・ポンプ・ふつうのコンベアなら、V/f 制御で足りることが多いです。ベクトル制御を選ぶと、モーターの性質を自動で測るオートチューニングが要る機種が多く、手順が1つ増えます。

STEP3 電源とモーターの情報:車検証を読む

モーターの側面の銘板(金属の板)が、モーターの「車検証」です。設定に使う数字の多くは、ここから書き写します。

この表の見方:左の列の数字を銘板から書き写し、右の列の設定に入れます

銘板の項目(数値は例)使う設定
定格電圧(200V)・定格周波数(50Hz)STEP4 基底周波数とその電圧
定格電流(11A。ふつうに働くときの電流)STEP5 電子サーマル
極数・定格回転数(4P・1420 min⁻¹)STEP6 上限周波数の計算

電源電圧と適用モーター(汎用のモーターか、ゆっくりでも冷える専用のモーターか)の入れ方は社によって違います(後半の対応表)。銘板は据え付けたあとでは読みにくくなるので、据え付ける前に写真を撮っておきます。

モーターの銘板のどの数字をどの設定に入れるかを示す図

STEP4 基底周波数:シートの位置をモーターに合わせる

ひとことで言うと基底周波数は「この速さのとき、モーターに満タンの電圧をかける」という基準です。銘板の定格周波数と同じ値にします。

インバータは、モーターの速さを変えるとき、波の速さ(周波数)だけでなく電圧も一緒に変えています。ゆっくり回すときは電圧を低く、速く回すときは電圧を高くします。この電圧の上げ方の「満タンになる点」を決めるのが、基底周波数です。

たとえると

基底周波数は、運転席のシートの位置のようなものです。シートが体に合っていれば、アクセルを奥まで踏みこめて、車は本来の力を出せます。シートが後ろに下がりすぎていると、足が届かず、どんなにがんばってもペダルを踏みきれません。インバータも、基底周波数がモーターに合っていないと、モーターが本来の力を出せなくなります。

モーターの銘板の定格周波数は、日本では 50Hz か 60Hz のどちらかが多いです。三菱電機の FR-E800 では、基底周波数(Pr.3)の初期値は 60Hz です。つまり、50Hz のモーターをつないだときは、50Hz に直す必要があります。

三菱電機の異常表示のページでも、加速中に電流が増えすぎて止まる異常(E.OC1)の原因の例に「定格周波数が 50Hz のモーターに、基底周波数が 60Hz」が挙がっています。なぜかを計算してみます。

基底周波数をモーターに合わせることを、シートの位置にたとえたイラスト

計算1:基底周波数をまちがえると、電圧はいくつ足りなくなる?

何のために計算するの?

50Hz 用のモーターを「基底周波数 60Hz」のまま回すと、電圧がどれだけ足りなくなるかを見ます。「なぜ力が出ずに電流だけ増えるのか」が納得できます。

この式はどこから来たの?
  1. モーターの中では、電気で磁石の力(磁束)を作り、その力で軸を回しています。ざっくり言うと、この磁石の強さは「電圧 ÷ 周波数」で決まります(本当は巻線の抵抗なども効きますが、ここでは省きます)。
  2. そこで V/f 制御のインバータは、電圧 ÷ 周波数をいつも同じ値に保つように電圧を上げ下げします。V/f の「V」は電圧、「f」は周波数です。
  3. その「同じ値」を決めるのが基底周波数です。基底周波数のときにモーターの定格電圧になるので、比は「定格電圧 ÷ 基底周波数」です。
  4. よって、ある周波数 f のときの電圧は、V = 定格電圧 × f ÷ 基底周波数になります(f が基底周波数より低い間)。

この表の見方:式に出てくる文字を1つずつ説明します

記号意味(やさしく言うと)単位
Vその周波数のときにインバータが出す電圧V(ボルト)
V定格基底周波数のときに出す電圧(モーターの定格電圧に合わせる)V(ボルト)
fいまモーターに送っている波の速さ(周波数)Hz(ヘルツ。1秒あたりの波の数)
f基底基底周波数(電圧が満タンになる周波数)Hz(ヘルツ)

単位は「V × Hz ÷ Hz」で Hz どうしが消え、V(ボルト)が残ります。電圧の式として、つじつまが合っています。

計算例
計算例:50Hz・200V のモーターを、基底周波数 60Hz のまま 50Hz で回す(数値は例)
正しい設定(基底周波数 50Hz)のとき、50Hz で出す電圧。式に入れる
V = 200 V × 50 Hz ÷ 50 Hz
Hz どうしを割る(50 ÷ 50 = 1)
V = 200 V × 1 = 200 V
まちがった設定(基底周波数 60Hz のまま)のとき、50Hz で出す電圧。式に入れる
V = 200 V × 50 Hz ÷ 60 Hz
Hz どうしを割る(50 ÷ 60 = 0.833)
V = 200 V × 0.833 = 167 V
足りない電圧を出す(正しい値から引く)
200 V − 167 V = 33 V
割合にする(167 を 200 で割る)
167 V ÷ 200 V = 0.83 → 約83%
まちがった設定では、モーターに本来の約83%の電圧しかかからない
答えの意味

電圧が約8割しかかからないと、モーターの力のもとになる磁石も約8割の強さになります。同じ荷物を動かすには、足りない分を電流で補うしかないので、「力が出ないのに電流だけ増えて、加速中に止まる」ことが起きます。桁の確かめ方は「50 と 60 の比(5/6)だけ電圧が下がる」=約2割の不足、と覚えておけば十分です。

この計算を、動く図で確かめます。基底周波数を 50Hz と 60Hz で切り替えると、モーターにかかる電圧の線がどう変わるかがわかります。

動かして確かめる

計算1と同じ、50Hz・200V のモーターをつないでいます。基底周波数の設定を選んで「加速してみる」を押すか、周波数のつまみを動かしてください。灰色の点線がモーターがほしい電圧、緑の線がインバータが実際に出す電圧です。

電圧と周波数のグラフ(V/f。横=周波数、縦=電圧) 0100200 V 020405060 Hz モーターがほしい電圧 インバータが出す電圧 モーター(50Hz・200V) 出す電圧:167 V ほしい電圧:200 V 磁石の強さ:約83% (色の濃さ=磁石の強さ)

いまの様子:

動きは説明のための作り物です(電圧=200V×周波数÷基底周波数のまっすぐな線で描いています。実際の機種では、低い周波数で電圧を少し足す設定(トルクブースト)なども効きます)。

見てほしいのは、60Hz(初期値のまま)を選んだときのオレンジの帯です。周波数をどこに動かしても、出す電圧はほしい電圧の約83%で、50Hz にだけ足りないのではなく、加速の途中ずっと足りません。

基底周波数をモーターと違う値にしたときに電圧が足りなくなることを示すグラフ

STEP5 電子サーマル:水温計の警告を、自分のモーターに合わせる

ひとことで言うと電子サーマルには、モーターの銘板の定格電流を入れます。初期値のままだと、小さなモーターを守れないことがあります。

モーターは、電流が多い状態が続くと中の電線が熱くなり、最後は焼けてしまいます。そこでインバータは、電流と時間からモーターの熱さを計算で見張っています。この見張りの機能を電子サーマルと呼びます。

たとえると

電子サーマルは、車の水温計の警告ランプです。もし警告の目盛りが大きなトラック向けになっていたら、小さな車のエンジンが熱くなっても、ランプはつきません。

電子サーマルは、この状態で届くことがあります。三菱電機の FR-E800 では、電子サーマル(Pr.9)は「モーターの定格電流を入れる」項目で、初期値はインバータの定格電流です。インバータより小さなモーターをつなぐと、見張りの基準が大きすぎて、モーターが熱くなっても止めてくれません。

計算2:見張りの基準がずれると、どれくらい見逃す?

何のために計算するの?

初期値のままだと、モーターに定格を超える電流が流れても見張りが「ふつう」と判断してしまうことを、数字で確かめます。

この式はどこから来たの?
  1. 電子サーマルは、流れている電流が設定した電流の何%かで、熱くなる速さを判断します。100%を超えた状態が続くと、やがて止めます。
  2. だから比べる式は、割合(%)を出すふつうの割り算「いまの電流 ÷ 設定した電流 × 100」です。何秒で止めるかは機種の特性で決まります。
計算例
計算例:インバータの定格電流 16A、モーターの定格電流 11A、いま 13A 流れている(数値は例)
正しい設定(11A)の見張りが見ている割合(=モーターの本当の負担)
13 A ÷ 11 A × 100 = 118 % → 100%を超えている → 見張りが働く
初期値のまま(16A)の見張りが見ている割合
13 A ÷ 16 A × 100 = 81 % → 100%より下 → ふつうと判断
モーターは定格の約1.2倍で苦しんでいるのに、初期値のままの見張りは「8割の軽い運転」と見てしまう
答えの意味

同じ 13A でも、基準が 11A なら「定格オーバー」、16A なら「まだ余裕」。設定1つで守れるかどうかが逆になるので、試運転の前に必ず銘板の定格電流に直します。

注意|ここで間違えやすい

1台で2台以上のモーターを回すときや極数の多いモーターは、電子サーマルでは守れません。モーターごとに外付けのサーマルリレー(電流で熱を見張る部品)を付けます(メーカーの資料)。

実務の判断のコツ

低い速さで長く回す機械では、適用モーター(保護の特性)の設定を必ず見ます。汎用のモーターは自分の軸に付いたファンで冷えているので、速さを落とすと冷え方も落ちます。電子サーマルはその分だけ早めに止める特性を持っていますが、定トルクモーター(低速でも冷える専用のモーター)をつないでいるのに汎用の設定のままだと、必要のないトリップが起きます。逆に、汎用モーターなのに定トルクの設定にすると、低速で守りが甘くなります。どちらに合わせるかは、モーターの銘板と仕様書で決めます。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

電子サーマルの設定がモーターと違うと見張りが働かないことを示す図

STEP6・7 上限と下限:スピードリミッターと最低速度

ひとことで言うと上限周波数は「どんな指令が来てもこれより速く回さない」、下限周波数は「これより遅く回さない」という柵です。

機械には、安全に動ける速さの範囲があります。コンベアを速くしすぎれば箱が飛び出します。そこで、インバータの側に柵を作っておきます。

たとえると

上限周波数は、車のスピードリミッターです。うっかりアクセルを踏みこみすぎても、決めた速さで頭打ちになります。下限周波数は、高速道路の最低速度のようなものです。遅すぎる速さで走り続けないようにします。

上限周波数が大事なのは、指令のまちがいから機械を守れるからです。配線のまちがいやノイズ、PLC のプログラムのまちがいで、思ったより大きな速さの指令が届くことがあります。インバータの側に上限があれば、それでも機械は決めた速さより速くなりません。

下限周波数は、止めたつもりでゆっくり回り続ける・ゆっくり回し続けて冷え方が落ちる、を防ぎます。ただし「指令が0なのに下限の速さで回る」機種もあるので、指令が0のときの動きを取扱説明書で確かめます。

この表の見方:上限と下限の決め方を横に並べました。単位が Hz か%かは社によって違います

決め方の目安上限周波数下限周波数
何から決めるか機械がいちばん速く動いてよい速さ冷え方・製品の品質・止め方
入れ忘れると起きること指令のまちがいで機械を回しすぎる止めたつもりで低速で回り続ける・低速での熱のこもり
初期値の例(三菱電機 FR-E800)機種の条件で違う(範囲 0〜120Hz)0Hz(制限なし)
上限周波数がないと指令のまちがいで機械が回りすぎることを示したイラスト

計算3:コンベアの最高速から、上限周波数を出す

何のために計算するの?

上限周波数の値はカタログには書いてありません。機械がいちばん速く動いてよい速さから、モーターの周波数まで逆にたどって求めます。

この式はどこから来たの?
  1. ローラが1回転すると、ベルトはローラの円周の長さだけ進みます。円周は「π(約3.14)× 直径」です。
  2. 1分に進む長さ(ベルトの速さ)を、1回転で進む長さで割ると、ローラが1分に何回転するかがわかります。
  3. モーターとローラの間に減速機(回転をゆっくりにする歯車)があると、モーターは減速比の分だけ速く回っています。減速比が 1/20 なら、モーターはローラの20倍の速さです。
  4. モーターの回る速さは、送る波の速さ(周波数)にほぼ比例します。比例の基準になるのが同期速度 N = 120 × f ÷ p です。2極のモーターでは、磁石の向きが波1回で1周します。f 回/秒なら 1分で 60f 回転です。極数 p が増えると、1周するのに波が p÷2 回要るので、60f を p÷2 で割って 120f÷p になります。
  5. 最後に「同期速度に対して、いくつの回転にしたいか」の比を、周波数に掛けます。

この表の見方:式に出てくる文字を1つずつ説明します

記号意味(やさしく言うと)単位
n・N回る速さ(1分に何回転するか。N は同期速度)min⁻¹(毎分の回転数)
fモーターに送る波の速さ(周波数)Hz
pモーターの極数(磁石の極の数。銘板の 4P なら4)なし
計算例
計算例:最高速 30 m/min、ローラの直径 0.2 m、減速比 1/20、4極のモーター、60Hz 系(数値は例)
ローラ1回転で進む長さ(円周=π×直径)
π × 0.2 m = 3.14 × 0.2 m = 0.628 m
ローラが1分に回る数(速さ ÷ 1回転で進む長さ)。m どうしが消えて「回/分」が残る
30 m/min ÷ 0.628 m = 47.8 min⁻¹
モーターが1分に回る数(減速比 1/20 なので20倍)
47.8 min⁻¹ × 20 = 956 min⁻¹
4極モーターの同期速度(60Hz のとき)
120 × 60 Hz ÷ 4 = 1,800 min⁻¹
ほしい回転の割合(956 を 1,800 で割る)
956 ÷ 1,800 = 0.531
その割合を 60Hz に掛ける(回転は周波数に比例)
60 Hz × 0.531 = 31.9 Hz
上限周波数は 32Hz 前後。実際は少し遅れて回る(滑り)ので、試運転で実際のベルトの速さを測って決める
答えの意味

つまり、インバータが 32Hz くらいを出したときに最高速の 30 m/min になります。実際のモーターは同期速度より少し遅く回る(滑り)ので、計算の値は目安とし、試運転で測ってから 32〜34Hz くらいに決めます。桁の確かめ方は「最高速がモーターの全速(60Hz)のおよそ半分なら、上限もおよそ 30Hz」です。

モーターの回る速さと周波数・極数の関係は、同じ筆者が運営する電気のブログ shirasusolo.net の三相誘導電動機とはで図解しています。

コンベアの最高速から上限周波数を出す計算の流れ

STEP8 加速時間と減速時間:ペダルの踏み方を決める

ひとことで言うと加速時間・減速時間は「何秒かけて速くするか・止めるか」。最初は長めに入れ、試運転で縮めます。

決めた速さまで上げるのにかける時間が加速時間、止めるときの時間が減速時間です。

たとえると

アクセルをじわっと踏めばゆっくり加速し、ベタ踏みすれば急加速します。急加速・急ブレーキは車にも荷物にも負担です。加速時間と減速時間は、ペダルの踏み方を数字で決める設定です。

なぜ短すぎるとよくないのでしょう。物理の基本の式「力 = 重さ × 加速の速さ」(F=ma)のとおり、2倍の速さで加速させれば、加速のための力も2倍要ります。力を出すには電流が要るので、加速時間が短すぎると電流が増えすぎて止まります(過電流のトリップ)。

減速時間が短すぎると、機械の勢いでモーターが発電機のようになり、戻ってきた電気でインバータの中の電圧が上がって止まります(回生。記事は公開しだいリンクします)。

計算4:同じ「6秒」でも、機種によって加速の速さが違う

何のために計算するの?

加速時間が「0Hz から何 Hz までの時間か」はメーカーで違います。置き換えのときに同じ数字を写すと加速が変わるので、換算のしかたを確かめます。

この式はどこから来たの?
  1. 加速の速さは「1秒あたりに何 Hz 上げるか」=上げる幅 ÷ かける時間です(坂の傾きと同じ考え方)。
  2. 三菱電機の FR-E800 の加速時間は、止まった状態から Pr.20(加減速の基準の周波数)までの時間です。安川電機の GA700 の C1-01 は、0Hz から最大出力周波数(E1-04)までの時間です。
計算例
計算例:基準が最大出力周波数 120Hz の機種で、0→60Hz を3秒にしたい(数値は例)
ほしい加速の速さ(60Hz 上げるのに3秒)
60 Hz ÷ 3 s = 20 Hz/s
基準の 120Hz まで、その速さで上げると何秒か(=設定する値)
120 Hz ÷ 20 Hz/s = 6 s
逆に、この機種に 3s と入れてしまったときの加速の速さ
120 Hz ÷ 3 s = 40 Hz/s
そのとき 60Hz に着くまでの時間
60 Hz ÷ 40 Hz/s = 1.5 s
設定する値は 6s。基準が 60Hz の機種と同じ 3s を入れると、実際の加速は半分の 1.5 秒になり、加速中の電流が大きくなる
答えの意味

加速時間は「どこまでの何秒か」とセットで読みます。基準が2倍の機種に同じ数字を入れると、加速の速さも、加速に要る力(電流)も大きくなります。

実務の判断のコツ

加速時間と減速時間は、最初は長め(機械の許すタクトの中で長い側)に入れて試運転し、加速中・減速中の出力電流と直流の電圧をモニタで見ながら縮めていきます。最初から短い値を入れてトリップさせ、そこから延ばすより、機械にもインバータにも負担がかかりません。縮めるのは、電流に余裕があることを数字で見てからです。

動かして確かめよう:上限・下限と加速・減速時間

ここまでの STEP6〜8 の設定を、動く図でまとめて確かめます。同じ指令を送っても、上限・下限の柵と加速・減速の傾きで、モーターの速さの動き方が変わる様子がわかります。

動かして確かめる

計算3のコンベア(32Hz 前後で最高速 30 m/min)に、PLC からまちがって大きな指令(45Hz)→小さな指令(5Hz)→停止を送ります。4つのつまみを動かしてから「スタート」を押し、灰色の点線(指令)に対して、緑の線(インバータが実際に出す周波数)がどう動くかを見てください。

加速・減速時間は「0 Hz と 60 Hz の間」にかける時間(基準 60 Hz の例)
コンベア 指令:— 出力:0.0 Hz ベルト:0.0 m/min 周波数のグラフ(横=時間、縦=周波数) 0204060 Hz 05秒10秒15秒20秒 上限 下限 指令(PLC から) インバータが出す周波数

いまの様子:スタートを押すと、ここに説明が出ます。

動きは説明のための作り物です(指令の値と時間、ベルトの速さ=周波数×30÷31.9 は例。加速・減速の基準の周波数、指令が下限より小さいときや停止のときの動きは機種で違うので、取扱説明書で確かめてください)。

見てほしいのは、45Hz のまちがった指令が来ても、緑の線が上限の柵で頭打ちになるところと、加速・減速時間を短くすると坂が急になるところです。上限を 60Hz にすると、ベルトが最高速の 30 m/min を超えてしまいます。

加速時間の基準の周波数が違うと実際の加速時間が変わることを示すグラフ

STEP9・10 指令の場所:だれが運転するかを決め、試し乗りする

ひとことで言うと「回せ・止まれ」と「この速さで」の指示を、どこから受け取るかを最後に決め、試運転で確かめます。

ここで、はじめて外から運転できるようにします。インバータへの指示は2種類あります。「回す・止める」の運転指令と、「どの速さで回すか」の周波数指令です。この2つをどこから受け取るかを決めるのが、指令の場所の設定です。

たとえると

車でいえば、だれが運転するかです。自分でペダルを踏む(操作パネル)、代わりの人に任せる(外のスイッチ)、自動運転に任せる(PLC や通信)。キーを渡すのは、準備を終えてからです。

この表の見方:運転指令と周波数指令は、別々の場所から受けることもできます

指令の場所運転・周波数の指令の例向いている使い方
操作パネルRUN・STOP キーとダイヤル試運転・1台だけの調整
外の端子盤のスイッチ・PLC の出力、つまみ・電気の信号(0〜10V・4〜20mA)ふつうの設備
通信PLC から通信で送る台数が多い・速さを細かく変える設備

三菱電機は Pr.79 で操作パネル(PU 運転)・外の端子(外部運転)などを選び、安川電機の GA700 は周波数指令を b1-01、運転指令を b1-02 で別々に選びます(初期値はどちらも外の端子)。

試運転:駐車場で試し乗りする

いきなり本番の道路に出ず、駐車場で動かしてみるのが試運転です。操作パネルから低い周波数で回し、回る向き・変な音・電流を確かめてから、指令の場所を本番にします。必要になったものだけ、10番目の項目として直します。

この表の見方:左の症状が出たら、真ん中の項目を確かめます

試運転で見ることおかしいときに直す項目直し方の向き
回る向きが逆モーターの配線(2本の入れ替え)か、正転・逆転の端子配線は電源を切ってから
ゆっくりのときに力が足りないトルクブースト(低い周波数での電圧の足し方)少しずつ上げる
モーターの音が耳ざわり・配線が長いキャリア周波数(中のスイッチの切り替えの速さ)配線の長さとノイズの条件で決める

キャリア周波数は配線の長さで上限が決まる機種があります(三菱電機 FR-E800 の 400V級では、配線 50m 以下で 14.5kHz 以下など)。

注意|ここで間違えやすい

配線を直すときは電源を切り、充電ランプが消えたことと、直流の端子(P と N)の間の電圧が下がったことをテスターで確かめてから作業します(待つ時間は取扱説明書の値)。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

インバータに運転の指令を出す3つの場所を示したイラスト

仕事で使うとき1:メーカーのパラメータ対応表

ひとことで言うと番号と呼び方は社ごとに違いますが、10項目にあたる設定はどの社にもあります。違うのは「単位」と「基準」です。

公式の資料で確かめた2社の対応を並べます。車でいえば、シートのレバーの場所がメーカーで違っても、役目は同じということです。安川電機の GA700 では、電源電圧(E1-01)にモーターではなくインバータの入力の電圧を入れます。

この表の見方:同じ行が同じ役目の設定です。番号は機種で変わることがあるので、最後はお使いの機種の取扱説明書のパラメータ一覧で確かめてください

項目三菱電機 FR-E800/FR-A800安川電機 GA700違うところ
基底周波数Pr.3 基底周波数(初期 60Hz)E1-06 ベース周波数どちらも銘板の定格周波数に合わせる
電子サーマルPr.9 電子サーマル(定格モータ電流を入れる)E2-01 モーター定格電流+L1-01三菱は1項目、安川は電流と保護の選択の2項目
上限周波数Pr.1 上限周波数(Hz で入れる)d2-01 周波数指令上限(%)安川は最大出力周波数 E1-04 を100%とした%
下限周波数Pr.2 下限周波数(初期 0Hz)d2-02 周波数指令下限(初期 0%)単位の違いは上限と同じ
加速時間・減速時間Pr.7・Pr.8(基準は Pr.20)C1-01・C1-02(基準は E1-04)時間を測る基準の周波数が違う(計算4)
指令の場所Pr.79 運転モード選択b1-01 周波数指令の選択・b1-02 運転指令の選択安川は周波数と運転を別々に選ぶ
メーカーで違う

気をつけたいのは上限周波数の単位と加速時間の基準です。置き換えのときに同じ数字を写すと、速さも加速の時間も変わります。

たとえば最大出力周波数 60Hz の GA700 で上限を 32Hz にするなら、d2-01 は 32 ÷ 60 × 100 = 53.3% です(例)。三菱電機なら Pr.1 にそのまま 32Hz です。

ほかの社にも同じ役目の設定があります。取扱説明書の「パラメータ一覧」「機能コード一覧」の章で、表の左の列の名前を探してください。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

仕事で使うとき2:やりがちな間違いと、チェックリスト

ひとことで言うと間違いのほとんどは「順番を飛ばした」か「初期値のままだった」ことから起きます。

順番を飛ばすと何が起きるかの表です。「シートベルトを締め忘れたまま走り出した」を、出発前に防ぎます。

この表の見方:左の列に心当たりがあれば、右の列の順番に戻してやり直します

やりがちな間違い起きること防ぎ方
指令の場所を先に入れて、上限を入れる前に回した電気の信号の最大で、機械の最高速を超えて回る上限周波数(6)を指令の場所(9)より先に入れる
電子サーマルを初期値のまま運転した小さいモーターの過負荷を見逃す銘板の定格電流を入れてから回す(計算2)
50Hz のモーターに基底周波数 60Hz のまま力が出ない・加速中に電流が増えて止まる基底周波数を銘板に合わせる(計算1)
他社の機種の加速時間をそのまま写した基準の違いで加速が速くなり、電流が増えて止まる基準の周波数を確かめて換算する(計算4)
流用品を初期化せずに設定を足した前の設備の設定が残り、原因のわからない動き最初に初期化する

設定を終えたら、初期値から変えた項目だけを一覧にして、設備の書類に残しておくと、交換やトリップのときにすぐ役立ちます。

インバータの設定のチェックリスト(印刷して使えます)
  • □ 銘板の控え・機械の速さの条件をそろえた
  • □ 1〜3 初期化・制御方式・電源電圧と適用モーターを設定した
  • □ 4 基底周波数をモーターの銘板の定格周波数に合わせた
  • □ 5 電子サーマルにモーターの銘板の定格電流を入れた(複数台なら外付けのサーマルリレー)
  • □ 6 上限周波数を機械の最高速から計算して入れた
  • □ 7 下限周波数を決め、指令が0のときの動きを確かめた
  • □ 8 加速時間・減速時間を長めに入れ、基準の周波数を確かめた
  • □ 9 運転指令・周波数指令の場所を設定した
  • □ 10 試運転で向き・音・電流を見て、必要な項目だけ直した
  • □ 初期値から変えた項目を一覧にして残した

よくある質問

Q. インバータの設定は、まずどのパラメータから触ればいいですか?

A. 流用品なら初期化、次にモーターの銘板に合わせた基底周波数と電子サーマルです。外から動かす指令の場所は最後に設定します。

Q. インバータの電子サーマルには何の値を入れますか?

A. モーターの銘板の定格電流を入れます。初期値はインバータの定格電流のことが多く、そのままでは小さいモーターを守れません。

Q. インバータの基底周波数とは何ですか?

A. モーターに定格の電圧をかける周波数の基準です。モーターの銘板の定格周波数(50Hz か60Hz)と同じ値にします。

Q. 上限周波数は何Hzにすればいいですか?

A. 機械がいちばん速く動いてよい速さから逆算します。ローラの直径と減速比から周波数を出し、試運転で測って決めます。

Q. インバータの加速時間は何秒にすればいいですか?

A. 最初は機械の許す範囲で長めに入れ、試運転で電流を見ながら縮めます。基準の周波数が機種で違う点に気をつけます。

まとめ:インバータの設定は、乗る前の準備。守りを固めてからキーを回す

POINT
  • 最初に触るのは10項目。初期化 → 制御方式 → 電源とモーター → 基底周波数 → 電子サーマル → 上限・下限 → 加減速 → 指令の場所 → 試運転で直す
  • モーターを守る設定と回りすぎを防ぐ柵を、外から動かせる設定(指令の場所)より先に入れる
  • 基底周波数は銘板の定格周波数に、電子サーマルは銘板の定格電流に合わせる。どちらも初期値のままだと困ることがある
  • 上限周波数は機械の最高速から計算し、加速時間は「どこまでの何秒か」を確かめる

設定が終わって試運転でトリップが出たら、加速中・定速中・減速中のどれで出たかを記録して切り分けます。車でいえば、試し乗りで出た警告ランプの読み方です。

S
シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

PLC・サーボ・インバーターを実務で扱ってきた電気・制御の設計者です。制御の記事は、選び方・設定の順番・止まったときの切り分けを、実務の判断のしかたから書いています。機械(材料・機械要素・図面)の記事は本職ではないため、JIS とメーカーの技術資料を調べてまとめ、出典を示しています。

次に読むべき記事

設定の順番がわかったら、容量の選び方と、トリップしたときの切り分けも確かめておきましょう(記事は公開しだい、ここに並べます)。

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