リミットスイッチとマイクロスイッチの違い|比較表と選び方を図解

リミットスイッチとマイクロスイッチの違い。ドグがリミットスイッチのローラーを押すイラスト センサと駆動

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リミットスイッチとマイクロスイッチの中身は同じ、少し押すとカチッと切り替わるスナップアクションの部品です。リミットスイッチは、それを頑丈なケースに入れ、ローラーやレバーの腕を付けたものです。

油・水・ほこりの多い機械の外ならリミットスイッチ、装置の中の小さな所ならマイクロスイッチ。PLC の入力につなぐなら、微小負荷用の金の接点を選びます。

この記事では、リミットスイッチとマイクロスイッチをパソコンのマウスのクリックにたとえて説明します。2つの違いの比較表と、押し込み量・入力の電流・寿命の計算もあります。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

マイクロスイッチとは?少し押すとカチッと切り替わる小さなスイッチ

ひとことで言うと小さな動きと小さな力で、接点を一気に切り替える小さなスイッチです。

マイクロスイッチは、手のひらに乗るくらいの小さな箱のスイッチです。上に出ている小さなボタンやレバー(アクチュエータ)を数ミリ押すと、中の接点が「カチッ」と切り替わります。

たとえると

パソコンのマウスのボタンを押すと「カチッ」と鳴りますね。多くのマウスでは、あのボタンの下に小さなマイクロスイッチが入っています。ゆっくり押しても、ある所まで来ると一気にカチッと切り替わる。この「一気に切り替わる」感じが、マイクロスイッチのいちばん大事な特長です。この記事では、全体をマウスのクリックでたとえます。

パナソニックの用語説明では、マイクロスイッチを「微小接点間隔とスナップアクション機構をもち、規定された動きと規定された力で開閉動作する」小さなスイッチと定義しています。むずかしく見えますが、言いかえると次の3つです。

マイクロスイッチは「決まった所で、確実に、一気に」切り替わるスイッチです

定義の言葉やさしく言うと
微小接点間隔離れている接点どうしのすきまが、とても小さい
スナップアクション機構ある所まで押すと、ばねの力で接点が一気に切り替わる(⑤で説明)
規定された動きと規定された力何ミリ押したら切り替わるか、何ニュートンで押せばよいかが決まっている(⑦で説明)

機械の中だけでなく、家電の扉が閉まったかを見る所や、自動販売機の中など、身のまわりでもたくさん使われています。

マウスのクリックのたとえと、指で押されるマイクロスイッチを並べたイラスト

リミットスイッチとは?マイクロスイッチに「よろい」と「腕」を付けたもの

ひとことで言うとマイクロスイッチを頑丈なケースに入れ、物が当たる腕を付けて、機械の上で使えるようにしたものです。

機械の動く台やシリンダの端は、油や水がかかり、ほこりや切り粉が飛び、物が勢いよくぶつかる場所です。小さなマイクロスイッチをそのまま付けると、すぐに壊れたり、中に油が入ったりします。

そこで、マイクロスイッチを頑丈な金属のケースに入れ、すき間をふさぎ、外にローラーやレバーの腕を付けたのがリミットスイッチです。アズビルの汎用リミットスイッチは、頑丈なアルミダイカストのケースにスイッチを内蔵していると説明されています。

たとえると

マウスのクリックの部品を、そのまま工場の機械の端に付けるのは無理があります。そこで、クリックの部品によろい(頑丈なケース)を着せ、遠くの物でも押せるように長い腕(ローラーやレバー)を持たせた。これがリミットスイッチです。中で切り替わっているのは、同じカチッと切り替わるしくみです。

リミット(limit)は「限界・端」という意味です。機械が動ける範囲の端に付けて、「ここが端です」と知らせたり、行き過ぎたときに止めたりする使い方が多いので、この名前があります。物が当たって押す金具はドグと呼ばれます。

出典

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機械の動く台の端で、ドグがリミットスイッチのローラーレバーを押すイラスト

違いを表で比べる:中身は同じ、外側と使う場所が違う

ひとことで言うと切り替わるしくみは同じ。違うのはケースの頑丈さ・腕の形・付ける場所です。

左右で同じ行を見比べてください。上の1行だけが同じで、あとは「どこで使うか」の違いです

比べることマイクロスイッチリミットスイッチ
中で切り替わるものスナップアクションの接点中にマイクロスイッチ(またはそれと同じしくみ)が入っている
外側小さな樹脂のケースが多い金属などの頑丈なケース。すき間をふさいだ作り
水・油・ほこりへの強さふつうは弱い(密閉したタイプもある)強い(例:IP67 の機種)
押す部分小さなボタンや短いレバーローラーつきのレバー・プランジャ・アームなど
大きさ指先くらい手のひらくらい
よく付ける場所装置の中・扉やカバーの奥機械の外側・動く台やシリンダの端

つまり、「リミットスイッチとマイクロスイッチのどちらが上か」ではありません。機械の外で、ぶつけられたり油がかかったりする所ならリミットスイッチ、装置の中の守られた所ならマイクロスイッチ、というのが基本の考え方です。

出典

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マイクロスイッチと、頑丈なケースの中にマイクロスイッチが入ったリミットスイッチの構造を比べた図

カチッのしくみ:スナップアクションは「ばねがパチンと裏返る」

ひとことで言うと押していくと、ある所で中の板ばねがパチンと裏返り、接点が一瞬で切り替わります。

マイクロスイッチの中には、曲げた薄い板ばねが入っています。ボタンを押すと板ばねに力がたまっていき、ある所(動作位置)を越えた瞬間に、ばねが反対側へパチンと裏返ります。そのとき、ばねの先に付いた接点が、片方の接点から反対側の接点へ一気に移ります。

たとえると

プラスチックの下じきを両手で少したわませて、真ん中を指で押していくと、ある所で「ペコン」と反対側に裏返りますね。ゆっくり押しても、裏返る瞬間はいつも一瞬です。マイクロスイッチの板ばねも、これと同じ動きをしています。

なぜ一気に切り替える必要があるのでしょうか。接点がじわじわ離れると、すき間が小さいあいだに電気の火花が出やすく、接点が傷みます。また、離れかけの接点は ON と OFF の区別があいまいになり、信号がばたつきます。一気に切り替えれば、物がゆっくり当たっても、いつも同じ所で、はっきり切り替わります。

ここはざっくり言うと、の話です。本当の板ばねの形や、火花の出方は機種によって違いますが、「ゆっくり押しても切り替わりは一瞬」という考え方は同じです。

押していくと板ばねがパチンと裏返り、接点がNCからNOへ一瞬で切り替わるスナップアクションの図

接点の読み方:COM・NO・NC と、a 接点・b 接点

ひとことで言うとCOM が共通、NO は押すとつながる側、NC は押すと離れる側です。

マイクロスイッチやリミットスイッチの端子には、ふつう3つの記号が付いています。パナソニックの用語説明では、COM(共通端子)・NO(常時開路端子)・NC(常時閉路端子)と呼んでいます。

1つのスイッチの中に a 接点と b 接点の両方があり、使う端子で選べるのが c 接点です

端子押していないとき押したときよく使う呼び方
COM と NO離れている(電気が通らない)つながる(電気が通る)a 接点(メーク接点)
COM と NCつながっている離れるb 接点(ブレーク接点)
COM・NO・NC の3つCOM は NC 側COM が NO 側へ切り替わるc 接点(切換接点)
たとえると

線路の分かれ道(ポイント)を思い浮かべてください。COM が手前の1本の線路、NC がふだんつながっている行き先、NO が切り替えたときの行き先です。ボタンを押すとポイントが切り替わり、電気の行き先が NC から NO に変わります。

PLC につなぐとき、「物が来たら ON」にしたいなら COM と NO(a 接点)を使います。逆に、「押されていない(=正常)あいだ ON、押されたら OFF」にしたいなら COM と NC(b 接点)を使います。どちらを使うかは、線が切れたときに安全な側に倒れるかで決めることが多く、その考え方は PLC とラダーの記事でも説明しています。

出典

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押す前と押したときのCOM・NO・NCのつながりと、a接点・b接点・c接点の意味を示した図

動きの言葉:動作位置・動作後の動き・応差・戻りの位置

ひとことで言うとどこで切り替わり、どこまで押してよく、どこで戻るかを、ミリで表した言葉です。

カタログの「動作特性」の表には、押し込む動きを表す言葉が並んでいます。パナソニックの用語説明をもとに、やさしい言葉にするとこうなります。

「最大値」「最小値」は、カタログの値がどちらの意味で保証されているかです(パナソニックの用語説明)

言葉(略号)意味表のどちらの値か
自由位置(FP)何も押していないときの、ボタンや腕の位置–
動作までの動き(PT)自由位置から、接点が切り替わるまでに押す量最大値
動作位置(OP)接点が切り替わる瞬間の位置–
動作後の動き(OT)切り替わってから、さらに押し込める量(動作限度位置まで)最小値
応差の動き(MD)切り替わった位置から、元に戻る位置までの差最大値
動作に必要な力(OF)自由位置から動作位置まで押すのに要る力最大値
たとえると

マウスのボタンで言うと、軽く指を乗せた所が自由位置、カチッと鳴る所が動作位置、カチッのあとさらに奥まで押し込める余りが動作後の動きです。指を離していくとき、カチッと鳴った所より少し上まで戻らないと元に戻らない。その差が応差です。

では、動く図で確かめましょう。押し込む量を選んで「スタート」を押すと、ドグがプランジャを押し込み、また離れていきます。

動かして確かめる

ドグ(押す金具)がプランジャ(押される棒)を押し込み、また離れていきます。押し込む量を選んで「スタート」を押し、どこで接点が切り替わり、戻るときはどこで元に戻るかを見てください。右のものさしは、押し込んだ量(自由位置から何ミリ動いたか)です。

ドグ マイクロスイッチ(中を簡単にした図) COM NC NO 0 自由位置 0.8 戻りの位置(応差 1.2 手前) 2.0 動作位置 4.8 押し込みの目安 6.0 動作限度位置 動作後の動き 4.0 押し込み量:0.0 mm つながっている接点:COM-NC

いまの様子:押し込む量を選んで「スタート」を押すと、ここに説明が出ます。

動きは説明のための作り物です(動作までの動き 2.0 mm・応差 1.2 mm・動作後の動き 4.0 mm は例。実際の値は機種のカタログの動作特性で確かめます。中の板ばねの形も簡単にしています)。

見てほしいのは2つです。1つは、押していくと動作位置で接点が一気に切り替わり、戻るときは動作位置を過ぎても切り替わらず、応差の分だけ手前の「戻りの位置」でやっと戻ること。もう1つは、押し込む量を「ぎりぎり」や「動作限度位置まで」にすると、説明欄に注意が出ることです。押し込み量の決め方は⑩で計算します。

出典

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自由位置・戻りの位置・動作位置・動作限度位置と、動作までの動き・動作後の動き・応差の関係を示した図

腕(アクチュエータ)の種類:どう押されるかで選ぶ

ひとことで言うとまっすぐ押されるならプランジャ、横から物が通り過ぎるならローラーの付いた腕を選びます。

リミットスイッチの腕は、物がどの向きから、どう当たるかに合わせて形が分かれています。パナソニックやアズビルのリミットスイッチの資料にも、次のような形が並んでいます。

上の行ほど「まっすぐ・正確」、下の行ほど「横から・大きく動く」場面に向きます

腕の形どう押されるか向いている場面
プッシュ・プランジャ(押しボタン)まっすぐ正面から押される押す向きが決まっていて、止まる位置を正確に見たい
ローラ・プランジャ先のローラーを、斜面のあるドグが乗り越える台が横に動き、ドグの斜面で押し込みたい
ローラ・レバーレバーの先のローラーが押される(小さな力で動く)押す力を小さくしたい・すき間が狭い
ローラ・アーム長い腕が回るように倒される物が横を通り過ぎる・動く量が大きい
可変ロッド・可変ローラ・アーム腕の長さを変えられる届く位置を現場で合わせたい
たとえると

マウスで言えば、ボタンを指で真上から押すのがプランジャ、長いレバーの先を軽く倒すのがローラ・アームです。腕が長いほど小さな力で倒せますが、そのぶん大きく動かないと切り替わりません。

同じ機種でも、腕の形によって動作特性の数字が大きく違います。たとえばパナソニックの DL リミットスイッチ(受注終了品)の資料では、ローラ・プランジャは動作に必要な力 6.37 N 以下、ローラ・アームは 4.90 N 以下と書かれています。カタログでは、使う腕の形の行を読みます。

出典

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プランジャ・ローラプランジャ・ローラレバー・ローラアームの4つの腕の形のリミットスイッチのイラスト

どちらを選ぶ?付ける場所と、さわってよいかで決める

ひとことで言うとさわらずに見たいなら近接センサ、さわってよく機械の外ならリミットスイッチ、装置の中ならマイクロスイッチです。

上から順に当てはまる行を探します

条件向いているもの理由
機械の外で、油・水・切り粉がかかるリミットスイッチ(保護の等級を確かめる)頑丈なケースとすき間をふさぐ作りがある
装置の中の守られた所・扉やカバーの奥マイクロスイッチ小さく、少ない力で動く
物が速く何度も通る・当てたくない近接センサ・光電センサさわらないので、すり減らない
物がどんな材質でも、当たれば知らせたいリミットスイッチ押されれば材質に関係なく切り替わる
人の安全を守るための扉の確認安全用のスイッチ(直接開路動作)接点が溶けても、押せば機械的に離れる作り
迷ったら付ける場所の環境と、1日に押される回数から見直す環境は外側、回数は寿命の計算で決まる

前の記事で説明した近接センサは、さわらずに金属に気づくセンサでした。リミットスイッチは「さわって知らせる」ので、材質を選ばず、電源も要らない代わりに、当たるたびに少しずつすり減ります。

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実務の判断のコツ

リミットスイッチか近接センサかで迷ったら、まず「1日に何回押されるか」と「当たってよい物か」を確かめます。回数が多い所や、物に傷を付けたくない所はさわらないセンサにし、物の材質がいろいろな所や、近接センサのすきまを保てない所はリミットスイッチにします。決めてから、⑫の寿命の計算で回数が足りるかを確かめます。

さわってよいかと付ける場所から、近接センサ・リミットスイッチ・マイクロスイッチを選ぶフロー

計算してみよう1:ドグで何ミリ押し込めばいい?

ひとことで言うと押し込み量 = 動作までの動き + 動作後の動きの7割以上。ただし動作限度位置までは押さない。

ここで計算するのは、「ドグでどれだけ押し込めば、確実に切り替わり、しかも壊さないか」を知るためです。浅すぎると入ったり入らなかったりし、深すぎるとドグの勢いがスイッチにぶつかって壊れます。

式の出どころ:動きの言葉を足し算する

⑦の言葉どおり、自由位置から動作位置までが「動作までの動き(PT)」、そこから先に押せる余りが「動作後の動き(OT)」です。パナソニックの使用上の注意では、動作後の動きは規格値の70%以上を標準に設定するよう書かれています。そこで、押し込み量は次の足し算になります。

押し込み量 ≧ PT + 0.7 × OT 、 押し込み量 < PT + OT(動作限度位置)

たとえると

マウスのボタンを、カチッと鳴った所でぴたりと止めると、指が少し揺れただけで戻ってしまいます。かといって、奥の底までガツンと叩くとボタンが傷みます。カチッのあと「奥までの7割くらい」まで押すのが、確実で、やさしい押し方です。

計算例
計算例1:押し込み量を決める(数値は例。PT 2.0 mm・OT 4.0 mm・応差 1.2 mm)
① 動作後の動きの7割を出す
0.7 × 4.0 mm = 2.8 mm
② 押し込み量の下限(動作位置+7割)
2.0 mm + 2.8 mm = 4.8 mm
③ 押し込み量の上限(動作限度位置)
2.0 mm + 4.0 mm = 6.0 mm(ここまでは押さない)
④ 間をとって、例えば 5.0 mm に決める
4.8 mm ≦ 5.0 mm < 6.0 mm
⑤ 動作位置が 20% 遅れて切り替わっても確かめる
2.0 mm × 1.2 = 2.4 mm → 5.0 − 2.4 = 2.6 mm 先まで押し込めている
⑥ 戻りの位置(動作位置 − 応差)
2.0 mm − 1.2 mm = 0.8 mm → ドグが離れて 0.8 mm まで戻れば OFF に戻る
5.0 mm 押し込めば、動作特性がばらついても確実に切り替わり、動作限度位置にも当たらない

⑤の 20% は、パナソニックの使用上の注意にある「動作特性は規格値の ±20% まで変化しても支障がないよう考慮する」という考え方から取りました。答えが動作限度位置(6.0 mm)を超えたら、ドグの高さか取り付け板の位置で直します。

実務の判断のコツ

押し込み量は、組み立ての人まかせにせず、図面に「動作位置」と「押し込み量の範囲」を数字で書いておきます。リミットスイッチは取り付け板の位置で押し込み量がすぐに変わり、交換や調整のたびにずれるからです。数字が図面にあれば、交換した人もその範囲に合わせられます。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

動作までの動き2.0mmに動作後の動きの7割2.8mmを足して押し込み量4.8mm以上を出す図

計算してみよう2:PLC につなぐと何ミリアンペア?金の接点が要る理由

ひとことで言うとPLC の入力に流れるのは数ミリアンペア。0.1 A 以下なので、微小負荷用(金の接点)を選びます。

ここで計算するのは、「リミットスイッチの接点に、どれくらいの電流が流れるか」を知るためです。電流が小さすぎると、ふつうの銀の接点では電気が通らなくなることがあります。

式の出どころ:オームの法則

電流は、電圧を抵抗で割ると出ます(I = V ÷ R)。PLC の入力を、ざっくり1本の抵抗と見なします。三菱電機 FX5U の取扱説明書では、入力インピーダンス(入力の抵抗にあたる値)は 4.3 kΩ(X0〜X17)です。

I = V ÷ R_入力

計算例
計算例2:PLC の入力に流れる電流と、接点の選び方(数値は例)
① 電圧と入力の抵抗
V = 24 V、R_入力 = 4.3 kΩ
② オームの法則で電流を出す
I = 24 V ÷ 4.3 kΩ = 5.58 ≒ 5.6 mA
③ PLC が ON と見なす条件(3.5 mA 以上)と比べる
5.6 mA ≧ 3.5 mA → ON と見分けられる
④ アンペアに直す
5.6 mA = 0.0056 A
⑤ 銀の接点が苦手な範囲(0.1 A 以下)と比べる
0.0056 A ≦ 0.1 A → 微小負荷。金の接点を選ぶ
⑥ 一般負荷形の定格(DL の例:DC24V 5A)と比べる
0.0056 A ÷ 5 A ≒ 0.001 → 定格のわずか 0.1%
PLC の入力は定格よりずっと小さい電流しか流れない。だから「大きな定格」ではなく「微小負荷用(金の接点)」を選ぶ

パナソニックの用語説明では、0.1 A 以下の負荷では、銀の接点は表面にできる膜(酸化・硫化の皮膜)で電気が通りにくくなりやすいので、金(Au)の接点を選ぶよう書かれています。ざっくり言うと、銀は空気中で表面がくもりやすく、電流が小さいと、そのくもりを通り抜けられないことがあるのです。

たとえると

マウスのクリックの部品で、動かすのが「パソコンへの小さな合図」だけなら、接点は小さな電流でも確実に通る素材でないと困ります。逆に、大きなモーターを直接動かすような使い方は、そもそもクリックの部品の役目ではありません。

パナソニックの HL リミットスイッチ(受注終了品)の資料でも、一般負荷形と微小負荷形を分けて定格を示し、微小負荷形は DC30V 0.1A のように小さな電流の定格になっています。

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実務の判断のコツ

リミットスイッチを PLC の入力にだけつなぐなら、最初から微小負荷用(金の接点)の機種を選びます。定格の大きい一般負荷形のほうが丈夫そうに見えますが、数ミリアンペアでは接点の膜で入力がときどき入らなくなることがあり、しかも症状がたまにしか出ないので原因に気づきにくいからです。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

PLCの入力に流れる5.6mAと、0.1Aや5Aの接点の定格を比べた横棒グラフ

計算してみよう3:何年もつ?機械的寿命と電気的寿命

ひとことで言うと寿命の年数 = 寿命の回数 ÷ 1年に押される回数。大きな電流を直接切るほど短くなります。

ここで計算するのは、「交換の時期の目安」と「この使い方で寿命が足りるか」を知るためです。カタログには2種類の寿命が書かれています。

電気的寿命は、定格いっぱいの電流を切ったときの回数なので、機械的寿命よりずっと少なくなります

寿命の種類意味(パナソニックの用語説明)DL リミットスイッチの例(受注終了品)
機械的寿命接点に電気を流さずに、決まった頻度で動かしたときの回数1,000万回以上(毎分120回)
電気的寿命定格の負荷をつないで開閉したときの回数15万回以上(毎分20回・6A 380VAC 抵抗負荷)

式の出どころ:回数 = 頻度 × 時間

1分に6回押されるなら、1時間で 6 × 60 = 360 回です。これに1日の運転時間と1年の運転日数を掛ければ、1年に押される回数が出ます。寿命の回数をそれで割れば、何年もつかがわかります。

計算例
計算例3:1年に押される回数と、寿命の年数(数値は例)
① 1時間の回数(毎分6回)
6 回/分 × 60 分 = 360 回/時
② 1日の回数(16時間運転)
360 回/時 × 16 時 = 5,760 回/日
③ 1年の回数(250日運転)
5,760 回/日 × 250 日 = 1,440,000 回/年
④ 機械的寿命で割る(1,000万回)
10,000,000 ÷ 1,440,000 ≒ 6.9 年
⑤ 定格の負荷を直接切る場合(電気的寿命 15万回)
150,000 ÷ 1,440,000 ≒ 0.10 年 ≒ 約 1か月
接点に負担のない使い方なら約7年が目安。定格いっぱいの電流を直接切ると約1か月で寿命の回数に届く

つまり、リミットスイッチで大きなモーターやソレノイドを直接動かすと、寿命がぐっと縮みます。PLC の入力や、リレーのコイルのような小さな負荷を通して使うのが基本です。これらの回数はメーカーの試験の条件で保証された値なので、実際の寿命は使い方で変わります。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

機械的寿命なら約6.9年、定格の電流を直接切ると約0.1年になることを比べた棒グラフ

取り付けと環境の注意、入力が入らないときの入口

ひとことで言うとドグは腕をなめらかに押すように当て、油や切り粉に合った保護の機種を選びます。

パナソニックの使用上の注意と、DL・アズビルの資料の内容をもとにまとめました

気をつけること何が起きるか対策の例
ドグで動作限度位置まで押すドグの勢いがスイッチにかかり、腕や中のスイッチが壊れる押し込み量を⑩の範囲に。調整は取り付け板やドグの側で
ドグが腕を真横から強く叩く腕が曲がる・ローラーが割れる斜面のあるドグで、ローラーに乗り上げるように当てる
油や切削油がかかるゴムの部分がふくらみ、すき間から油が入る使う油で確かめる。保護の等級(IP67 など)の機種
誘導負荷(リレー・ソレノイド)を直接切る火花で接点が傷む火花を消す回路を入れる。できれば PLC の入力を通す

人の安全を守るため、扉が開いたら機械を止める用途には、ふつうのリミットスイッチではなく、接点が溶けついても押せば機械的に引きはがす作り(直接開路動作)の安全用スイッチを使います。アズビルの LJA のように、直接開路の機構を持つリミットスイッチもあります。安全の回路の考え方は、安全制御の記事で説明します(公開しだい、ここにリンクします)。

上の行から順に確かめます。左の列が今の症状に近い行を探してください。

症状・いつ出るかまず疑う原因確かめる場所・測るもの直し方
物が当たっているのに入力ランプが点かない押し込み不足・ドグの位置ずれ押し込み量を⑩の範囲と比べる取り付け板とドグを合わせ直す
たまに入力が入らない接点の膜(微小負荷に銀の接点)・配線のゆるみ接点の種類、端子のねじ微小負荷用(金の接点)に替える
物が離れても入力が切れない腕が戻らない(油・汚れ・曲がり)・押し込みすぎ腕を手で動かして戻りを見る清掃・腕の交換・押し込み量の見直し

作業の前には、機械を止め、動く部分が動かないことを確かめてから、スイッチや腕にさわります。作業の可否は職場のルールと取扱説明書に従ってください。詳しい誤検出の切り分けは、センサの誤検出の記事で説明します(公開しだい、ここにリンクします)。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

装置の中の扉を見るマイクロスイッチと、切削油のかかる所のリミットスイッチを並べたイラスト

仕事で使うとき:リミットスイッチの選定チェックリスト

ひとことで言うと場所 → 腕 → 押し込み量 → 接点 → 寿命、の順に確かめます。
リミットスイッチの選定チェックリスト
  • □ 付ける場所の環境(油・水・切り粉)を確かめた。機械の外ならリミットスイッチ、保護の等級も見た
  • □ さわらないほうがよい所(回数が多い・傷を付けたくない)なら、近接センサや光電センサを考えた
  • □ 物の当たり方から腕の形(プランジャ・ローラ・レバー・アーム)を選び、その形の動作特性の行を読んだ
  • □ 押し込み量を「動作までの動き + 動作後の動きの7割以上」「動作限度位置より手前」で決め、図面に書いた
  • □ 戻りの位置(動作位置 − 応差)まで、ドグが離れれば戻ることを確かめた
  • □ 使う接点(NO=a 接点・NC=b 接点)を、線が切れたときの動きも考えて決めた
  • □ PLC の入力にだけつなぐなら、微小負荷用(金の接点)を選んだ
  • □ 1年に押される回数を出し、寿命の回数から交換の目安を決めた
  • □ 人の安全のための扉には、直接開路動作の安全用スイッチを使う
おすすめの本

チェックリストの2つ目のように、リミットスイッチのほかに近接センサや光電センサも比べて選ぶときの本の例です。日刊工業新聞社の『メカトロ・センサ The ビギニング』(西田麻美 著・2019年9月発行)は、副題のとおり制御に用いるセンサの選定と使い方の本で、データシートの読み方や、シーケンス制御で使われるセンサの章があります(楽天ブックスの目次)。

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よくある質問

Q. リミットスイッチとは何ですか?

A. 物が当たって腕が押されると接点が切り替わり、機械の「ここまで来た」を知らせるスイッチです。中にマイクロスイッチが入っています。

Q. リミットスイッチとマイクロスイッチの違いは?

A. 切り替わるしくみは同じです。リミットスイッチは頑丈なケースと腕を持ち、油や水のかかる機械の外で使えるようにしたものです。

Q. リミットスイッチのa接点とb接点の違いは?

A. a 接点(COM と NO)は押すとつながり、b 接点(COM と NC)は押すと離れます。両方を持つものを c 接点と呼びます。

Q. リミットスイッチをPLCにつなぐときの注意は?

A. 流れる電流は数ミリアンペアと小さいので、銀の接点では導通不良になりやすく、微小負荷用の金の接点を選びます。

Q. リミットスイッチの押し込み量の目安は?

A. 動作位置から、動作後の動きの規格値の7割以上を押し込み、動作限度位置までは押さないのが目安です(パナソニックの資料)。

まとめ:リミットスイッチは「よろいと腕を付けたマイクロスイッチ」

POINT
  • マイクロスイッチは、少し押すとカチッと一気に切り替わる小さなスイッチ(スナップアクション)
  • リミットスイッチは、それに頑丈なケースと腕を付けて、機械の外でも使えるようにしたもの
  • 端子は COM・NO・NC。押すとつながるのが a 接点、離れるのが b 接点
  • 押し込み量は「動作までの動き + 動作後の動きの7割以上」で、動作限度位置までは押さない
  • PLC の入力は数ミリアンペア。0.1 A 以下なので微小負荷用(金の接点)を選ぶ
  • 寿命は「寿命の回数 ÷ 1年に押される回数」。大きな電流を直接切ると、ぐっと短くなる

スイッチが決まったら、その信号を受け取る PLC の側で、止まったときにどこを見るかも確かめておきましょう。

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シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

PLC・サーボ・インバーターを実務で扱ってきた電気・制御の設計者です。制御の記事は、選び方・設定の順番・止まったときの切り分けを、実務の判断のしかたから書いています。機械(材料・機械要素・図面)の記事は本職ではないため、JIS とメーカーの技術資料を調べてまとめ、出典を示しています。

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