光電センサ(光電管)の種類と選び方|透過・回帰反射・拡散反射の違い

光電センサはキャッチボール。コンベアの箱が投光器の光をさえぎる透過型光電センサのイラスト センサと駆動

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光電センサ(光電管)の透過型・回帰反射型・拡散反射型は、何が違うのか?

光を受け取る場所が違います。透過型は向かいの受光器(いちばん遠く・確実)、回帰反射型は反射板(配線が片側で済む)、拡散反射型は物に当たって跳ね返った光(センサ1つで済むが、色やつやで距離が変わる)。まず反対側に受光器か反射板を置けるかで決めます。

この記事では、光電センサを光のキャッチボールにたとえて説明します。透明・光沢・黒い物の選び方と、応答時間と止まる位置の計算もあります。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

光電センサとは?光を投げて「受け取れたか」で物を見つける

ひとことで言うと光を出す側と受け取る側があり、物が光をさえぎったり跳ね返したりした変化で ON・OFF を出す部品です。

光電センサには、光を出す投光部と、光を受け取る受光部があります。物が光の通り道に入ると、受光部に届く光の量が変わります。センサはその変化を見て、PLC(機械の脳にあたる制御装置)に「物が来た」と知らせます。

たとえると

2人でキャッチボールをしているところを想像してください。あいだを人が通ると、ボールが相手に届きません。受け取る人は「あ、だれか通った」と気づきます。光電センサは、ボールの代わりに光を投げ続けて、届いたか・届かなかったかで物に気づくセンサです。この記事では全体を「光のキャッチボール」で説明します。

前の記事で説明した近接センサは、金属が数ミリまで近づくと気づく「磁石の感覚」でした。光電センサは光を使うので、材質を選ばず、遠くから気づけるのが大きな違いです。

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金属に数ミリで気づくセンサ。材質とすきまで選ぶ

近くの金属なら近接センサ、材質を問わず離れた所から見たいなら光電センサ、が出発点です

比べること近接センサ(誘導形)光電センサ
気づける物金属だけ光をさえぎる・返す物ならほとんど(木・紙・樹脂・金属)
届く距離数ミリ〜十数ミリ数センチ〜数十メートル(方式による)
苦手なこと金属以外・遠い所汚れでレンズがくもる・透明や光る物・強い外の光
よく使う場所シリンダの先・回る金具・金属の部品コンベアの箱・ボトル・扉の通り道

パナソニックの資料でも、光電センサの欠点として、塵やホコリでレンズの面がおおわれると検出できなくなる場合があると書かれています。

2人のキャッチボールのあいだを箱が通るたとえと、箱が光をさえぎる透過型の光電センサを並べたイラスト

どこで使われている?工場で見かける4つの場面

ひとことで言うと「物がそこを通ったか・そこにあるか」を、さわらずに少し離れた所から知りたい所で使います。

どれも「材質がいろいろ」か「少し離れた所から見たい」が共通点です

場面知りたいことなぜ光電センサか
コンベアの箱箱が来たか・何個通ったか段ボールや樹脂でも見つけられ、離れた所から見られる
ボトルや缶の列1本ずつ通ったか・倒れていないか反応が速く、次々に流れても数えられる
棚や台の上部品が置いてあるか上から光を当てるだけで、さわらずに確かめられる
シャッターや扉の通り道あいだに物や台車が残っていないか幅の広い通り道でも、向かい合わせれば遠くまで届く
コンベアの箱・ボトルの列・台の上の部品・シャッターの通り道で光電センサが使われる4つの場面のイラスト

3つの方式:キャッチボール・壁当て・跳ね返りを待つ

ひとことで言うと光をさえぎらせる透過型と回帰反射型、物から跳ね返る光で気づく拡散反射型の3つが基本です。

透過型と回帰反射型は「さえぎられたら気づく」、拡散反射型は「返ってきたら気づく」と、合図が逆です

方式キャッチボールでたとえると光の通り道物に気づく合図
透過型向かい合った2人のキャッチボール投光器 → 受光器(別々の箱を向かい合わせる)光が届かなくなった
回帰反射型壁当て(特別な壁に投げて戻ってくる)センサ → 反射板 → センサ戻ってくる光が届かなくなった
拡散反射型相手に投げて、跳ね返ってきたら「いる」センサ → 物 → センサ跳ね返った光が届いた

回帰反射型の反射板(リフレクタ)は、ふつうの鏡ではありません。小さな角のような形がたくさん並んでいて、光が来た方向へそのまま返す特別な板です。そのため、少しくらい角度がずれても光がセンサに戻ります。

では、動く図で確かめましょう。方式を選んで「スタート」を押すと、箱が光の通り道を横切ります。出力の動きは⑤で説明するので、まずは「遮光時ON」のまま、受光のランプを見てください。

動かして確かめる

コンベアを上から見た図です。箱が左から流れてきて、光の通り道を横切ります。方式と出力の動き(入光時ON・遮光時ON)を選んで「スタート」を押し、受光部に光が届いているかと出力ランプの関係を見てください。

コンベア(上から見た図)→ 箱が流れる向き 受光器 投光器 箱 受光部に光が届いている 出力 OFF 受光:– いまの選び方:–

いまの様子:方式と出力の動きを選んで「スタート」を押すと、ここに説明が出ます。

動きは説明のための作り物です(光の太さ・箱の大きさ・速さは例。本物の光は目に見えないことが多く、受光部の「届いた・届かない」の境目は感度の調整で変わります)。

見てほしいのは、透過型と回帰反射型では箱が来ると受光が「なし」になるのに、拡散反射型では箱が来ると受光が「あり」になることです。同じ「箱が来た」でも、センサの中で起きていることは逆なのです。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

透過型・回帰反射型・拡散反射型で、物がないときとあるときの光の通り道と受光の有無を比べた図

入光時ON・遮光時ON:「届いたら ON」か「届かなくなったら ON」か

ひとことで言うと光が届いているときに出力を ON にするのが入光時ON、届かないときに ON にするのが遮光時ON です。

光電センサの多くは、出力の動きを切り換えるスイッチを持っています。パナソニックの CX-400 では「入光時ON/非入光時ON」、キーエンスの PZ-G では「入光時ON/遮光時ON」と呼び、どちらもスイッチやつまみで切り換えます。英語の Light-ON(ライトオン)・Dark-ON(ダークオン)も同じ意味です。

たとえると

受け取る人に「ボールが届いたら手を挙げて」と頼むのが入光時ON、「ボールが来なくなったら手を挙げて」と頼むのが遮光時ON です。どちらで頼むかで、同じ出来事でも手の挙がるタイミングが逆になります。

「物が来たら ON」にしたいときの、ふつうの組み合わせです。④の動く図で出力の動きを切り換えて確かめられます

方式物が来たとき受光部では物が来たら ON にしたいなら
透過型・回帰反射型光が届かなくなる遮光時ON(ダークオン)
拡散反射型跳ね返った光が届く入光時ON(ライトオン)

ここで間違えやすいのは、方式を変えたのに出力の動きをそのままにすることです。透過型から拡散反射型に替えると合図が逆になるので、出力の動きも切り換え直さないと、物がないときに ON になってしまいます。

出典

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箱が通るときの受光と、入光時ONと遮光時ONの出力が逆になることを示したタイミング図

苦手な物:すり抜ける透明・よそへ跳ねる光沢・吸い込む黒

ひとことで言うと透明な物は光がすり抜け、光る物は光がよそへ跳ね、黒い物は光を吸い込みます。どの方式が向くかが変わります。
たとえると

キャッチボールで、間にガラスの板を立てたら、ボールが少しだけ弱まって相手に届いてしまう感じです(透明)。つるつるの壁に斜めに投げると、ボールは自分に戻らず横へ跳ねます(光沢)。スポンジに投げると、ボールは吸い込まれて返ってきません(黒)。

上の3つが「苦手な物」、いちばん下が「得意な物」です

検出する物何が起きるか向いている方式・タイプ出典
透明なボトル・フィルム光の大半が通り抜け、届く量の差が小さい透明体検出用の回帰反射型。光軸を斜めにかけるパナソニック・キーエンス
光沢のある金属・鏡のような面回帰反射型では反射板と間違える。拡散反射型では光がよそへ跳ねて戻らない偏光フィルタ付の回帰反射型か透過型パナソニック・キーエンス
黒い物・つやのない暗い物拡散反射型では跳ね返る光が少なく、届く距離が短くなる透過型・回帰反射型(さえぎれば色は関係ない)パナソニック
不透明で色や形がばらばらさえぎる方式なら色・形・材質に関係なく見つかる透過型・回帰反射型パナソニック・キーエンス

偏光フィルタ付の回帰反射型は、光の「波の向き」を使います。ざっくり言うと、センサは横向きにそろえた光を出し、縦向きの光だけを受け取ります。反射板は光の向きを乱して返すので受け取れますが、鏡のような物は向きを変えずに返すので受け取れません。だから光る物を反射板と間違えにくいのです(本当はもう少し複雑ですが、考え方はこのとおりです)。

出典

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透明なボトルを光がすり抜け、光る缶で光がよそへ跳ね、黒い物が光を吸い込む様子のイラスト

方式の選び方:反対側に何か置けるか、から決める

ひとことで言うと反対側に受光器か反射板を置けるかで、まず方式の候補が2つに絞れます。

上から順に当てはまる行を探します

条件向いている方式理由
通り道の両側に機器を置け、配線もできる透過型いちばん遠くまで届き、色・形・材質に左右されない
両側に置けるが、配線は片側にしたい回帰反射型反対側は反射板だけで済む
片側にしか何も置けない拡散反射型センサ1つで済む。色・つやで距離が変わる
後ろに壁や機械があり、それに反応してしまう距離設定型・限定反射型(拡散反射型の仲間)決めた距離より遠い物を無視できる
金属の部品を数ミリで見る近接センサ油や水がかかっても金属だけを見分けられる
迷ったら検出する物の実物を持って、候補の方式で試す色・つや・透け具合で結果が変わる
実務の判断のコツ

方式を選ぶとき、最初に確かめるのは検出する物ではなく「反対側に受光器か反射板を置けるか」です。置けるなら、透過型か回帰反射型を先に考えます。拡散反射型は付けるのが手軽な反面、物の色やつやが変わるたびに届く距離が変わるので、品物の種類が多い機械ほど、あとで感度の調整に追われやすいからです。

反対側に受光器や反射板を置けるかから光電センサの方式を選び、物・距離・速さ・出力の順に確かめるフロー
おすすめの本

光電センサのほかのセンサも含めて、選び方と使い方をまとめて学びたいときの本の例です。日刊工業新聞社の『メカトロ・センサ The ビギニング』(西田麻美 著・2019年9月発行)は、副題のとおり制御に用いるセンサの選定と使い方の本で、データシートの読み方や、シーケンス制御で使われるセンサの章があります(楽天ブックスの目次)。

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どこまで届く?カタログの「検出距離」の読み方

ひとことで言うと透過型は数十メートル、回帰反射型は数メートル、拡散反射型は数十センチ〜1メートルが目安です。

カタログの「検出距離」は、方式によって測り方が違います。パナソニックの用語解説をもとに、やさしい言葉にするとこうなります。

拡散反射型の距離は白い紙での値なので、黒い物や小さい物ではもっと短くなります

方式検出距離が意味するもの
透過型投光器と受光器を、安定して離して置ける距離
回帰反射型センサと反射板を、安定して離して置ける距離(決められた反射板を使ったとき)
拡散反射型標準の検出物体(ふつうは白い、つやのない紙)を安定して見つけられる距離

同じ方式でも機種で距離が違います。どの社も、透過型 > 回帰反射型 > 拡散反射型 の順になっていることを見てください

方式パナソニック CX-400 の例キーエンス PZ-G の例
透過型10 m(CX-411)20 m(PZ-G51)
回帰反射型3 m(CX-491)0.1〜4.2 m(PZ-G61。反射板 R-2L のとき)
拡散反射型300 mm(CX-421)・800 mm(CX-422)300 mm(PZ-G42。10 cm 角の白紙)・1 m(PZ-G41。30 cm 角の白紙)
応答時間1 ms 以下(CX-411)500 µs
注意|ここで間違えやすい

パナソニックの資料では、設定する距離はカタログの検出距離以下にし、ゴミやホコリが多い所では余裕を持たせるよう書かれています。カタログ値より遠くで動いたとしても、それは保証された値ではありません。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

透過型・回帰反射型・拡散反射型のカタログの検出距離を2社の例で比べた横棒グラフ

計算してみよう1:物が光をさえぎっている時間は足りる?

ひとことで言うと光をさえぎる時間 = 物の長さ ÷ 流れる速さ。これがセンサの応答時間より十分長いかを確かめます。

ここで計算するのは、「速く流れる小さな物を、センサが見落とさないか」を知るためです。物が光の前にいる時間が短すぎると、センサが反応する前に通り過ぎてしまいます。

式の出どころ:時間 = 長さ ÷ 速さ

速さとは「1秒に何ミリ進むか」です。50 mm の箱が1秒に 500 mm 進むなら、箱の頭が光に入ってからおしりが抜けるまで、50 ÷ 500 = 0.1 秒かかります。これは、学校で習う「時間 = 道のり ÷ 速さ」そのものです。

たとえると

キャッチボールの間を、長い電車が通れば長いあいだボールが止まり、自転車がさっと通れば一瞬だけ止まります。受け取る人がのんびりしていると、自転車には気づけないかもしれません。

t = L ÷ v

mm ÷ (mm/s) で mm が消えて、秒だけが残ります

記号意味単位どこから取るか
L流れる向きに測った物の長さmm図面・実物
v流れる速さ(毎分 → 毎秒に直す)mm/sコンベアの仕様
t物が光をさえぎっている時間s(秒)計算で出す
計算例
計算例1:箱とねじで、光をさえぎる時間を比べる(数値は例)
① 箱の速さを毎秒に直す(毎分 30 m)
30 m/min = 30,000 mm ÷ 60 s = 500 mm/s
② 箱(50 mm)が光をさえぎる時間
t = 50 mm ÷ 500 mm/s = 0.1 s = 100 ms
③ 応答時間(CX-411 は 1 ms 以下)と比べる
100 ms ÷ 1 ms = 100 倍 → 十分に長い
④ ねじの速さを毎秒に直す(毎分 60 m)
60 m/min = 60,000 mm ÷ 60 s = 1,000 mm/s
⑤ ねじ(10 mm)が光をさえぎる時間
t = 10 mm ÷ 1,000 mm/s = 0.01 s = 10 ms
⑥ 大きさも比べる(CX-411 の検出物体は φ12 mm 以上の不透明体)
10 mm は 12 mm より小さい → 光を全部さえぎれないおそれ
箱は余裕あり。ねじは時間は足りても大きさが足りないので、スリットで光を細くするか、小さい物向けの機種にする

つまり、速さと応答時間だけでなく、物の大きさが光の太さより大きいかも一緒に見る必要があります。答えが 0.0001 秒のように小さすぎたら、毎分を毎秒に直し忘れていないかを見直します。

センサが間に合っても、信号を受け取る PLC が見落とすことがあります。PLC は入力を一定の間隔でしか読まないからです。この計算は PLC の切り分けの記事でくわしく説明しています。

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ときどき入力を見落とすなら、信号の長さを数字で確かめる

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

物の長さを流れる速さで割ると光をさえぎる時間が出ることを示した式の組み立て図

計算してみよう2:センサで止めると、何ミリ行き過ぎる?

ひとことで言うと行き過ぎる距離 = 速さ × 遅れの時間。センサだけでなく、PLC の遅れも足して考えます。

ここで計算するのは、「センサが見つけてから止めるまでに、物が何ミリ進んでしまうか」を知るためです。位置決めに使うなら、このずれが許せる範囲かを先に確かめます。

式の出どころ:距離 = 速さ × 時間

⑨の式を入れかえただけです。1秒に 500 mm 進む物は、0.001 秒(1 ms)のあいだに 500 × 0.001 = 0.5 mm 進みます。光が切れてから出力が変わるまでの遅れを、パナソニックの資料では応答時間と呼んでいます。

x = v × t_遅れ

計算例
計算例2:遅れの時間で、行き過ぎる距離がどう変わるか(数値は例)
① センサの応答時間だけ(1 ms = 0.001 s)
x = 500 mm/s × 0.001 s = 0.5 mm
② PLC 側の遅れ(入力を読む間隔などの合計)を例として 20 ms とする
t_遅れ = 0.001 s + 0.020 s = 0.021 s
③ 合計の遅れで計算する
x = 500 mm/s × 0.021 s = 10.5 mm
④ センサだけの場合と比べる
10.5 mm ÷ 0.5 mm = 21 倍
センサの応答時間は小さくても、PLC 側の遅れを足すと約 10 mm ずれる。止める位置の精度が要るなら、遅れの合計で考える

このほかに、モーターが止まりきるまでの距離も加わります。ここではセンサと PLC の分だけを数えました。PLC 側の遅れは機種と設定で違うので、20 ms は説明のための例です。

実務の判断のコツ

応答時間は、センサのカタログの値だけで判断せず、PLC の入力の遅れと読む間隔を足した「全体の遅れ」で見ます。センサを速い機種に替えても、全体の遅れのほとんどが PLC の側にあれば、止まる位置はほとんど変わらないからです。位置を正確に止めたいときは、まず遅れの内訳を数字で並べてから、どこを縮めるかを決めます。

センサの応答時間だけの場合とPLC側の遅れを足した場合で、止まる位置のずれを比べた棒グラフ

取り付けの注意:となりのセンサ・取付台・後ろの壁

ひとことで言うととなりのセンサの光、取付台や後ろの壁の照り返しで、物がないのに反応することがあります。

光電センサの光は、細いひもではなく、少しずつ広がりながら進みます。そのため、まわりの物の影響を受けます。パナソニックの資料にある主な注意をまとめると、次のとおりです。

どれも「よけいな光が受光部に入る」ことが原因です

起きることなぜ起きるか対策の例
となりのセンサとおたがいに反応する(相互干渉)となりの投光器の光が受光部に入る干渉防止の機能やフィルタ、間隔をあける、投光器と受光器を交互に並べる(透過型)
物がさえぎっているのに入光のまま物の下をくぐった光が取付台で反射して届く取り付けを高くする、取付台を黒のつやなしにする
拡散反射型が後ろの壁に反応する壁からの照り返しが戻ってくる壁を黒くする・遠ざける、距離設定型・限定反射型にする
たとえると

キャッチボールを何組も横に並べてすると、となりの組のボールが飛んできて取ってしまうことがあります。組と組のあいだを空けるか、ボールの色を変えて見分けるのが対策です。

となりとの間隔は、パナソニックの資料では次の考え方で決めます。カタログの「平行移動特性」のグラフから、使う距離 L1 のときの動作位置 ℓ1(光軸からどれだけ横にずれても入光で動くか)を読み、その2倍以上離せば安心、というものです。

計算例
計算例3:となりの透過型との間隔(数値は例)
① 使う距離 L1 を決める
L1 = 3 m
② 機種の平行移動特性のグラフから、3 m のときの ℓ1 を読む(例)
ℓ1 = 150 mm
③ 2倍する(メーカーの資料の考え方)
150 mm × 2 = 300 mm
となりの組とは 300 mm 以上離す。足りなければ干渉防止の機能がある機種にする

ℓ1 の値は機種と距離で変わるので、必ず使う機種のグラフで読みます。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

となりの光電センサとの間隔と、取付台の照り返しで入光のままになる様子を示した図

配線の選び方:出力は NPN か PNP かを PLC の入力に合わせる

ひとことで言うと考え方は近接センサの3線式と同じです。NPN か PNP かを、受け取る PLC の入力に合わせます。

アンプ内蔵型の光電センサは、ほとんどが電源の2本と出力の1本を持っています(透過型は投光器と受光器に分かれるので、受光器に出力があります)。出力のトランジスタが、出力の線を 0V の側につなぐのが NPN、+の側につなぐのが PNP です。

どの形式でも、流せる電流には上限があります。パナソニック CX-400 は 100 mA まで、キーエンス PZ-G も 100 mA 以下です

出力の形式ON のときすること主に使われている地域(パナソニックの資料)
NPN オープンコレクタ出力の線を 0V につなぐ(電流を吸い込む)日本・北米
PNP オープンコレクタ出力の線を +側につなぐ(電流を押し出す)欧州
リレー接点中の小さなスイッチが閉じる(交流の負荷もつなげる)電源内蔵型など。応答は遅め

PLC の入力を動かすだけなら、流れる電流は数ミリアンペアなので、上限の 100 mA には十分に余裕があります。センサの出力で直接リレーやランプを動かすときは、その電流が上限に入るかを確かめます。NPN・PNP と PLC の入力の向きの合わせ方は、近接センサの記事の3線式の節と同じなので、そちらも見てください。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

光電センサの受光器のNPN出力とPNP出力で、PLCの入力への電流の向きが逆になる配線の図

付けたら最初にやること:光軸合わせと感度の決め方

ひとことで言うと受光器を左右上下に振って、反応する範囲のまん中に向けます。感度も「反応する点」と「戻る点」のまん中に合わせます。

透過型と回帰反射型は、光の通り道(光軸)を相手にきちんと向ける必要があります。パナソニックの資料にある手順を、やさしい言葉にするとこうなります。

STEP 1

投光器と受光器を向かい合わせに置く。だいたい一直線になるように取り付けます。

STEP 2

受光器を左右に少しずつ振る。動作表示灯を見ながら、入光で動く範囲の両端を確かめ、そのほぼまん中で止めます。

STEP 3

上下も同じようにする。上下に振って、まん中で止めます。

STEP 4

投光器でも同じことをする。回帰反射型は、反射板の角度はおおまかでよく、センサの側をていねいに合わせます。

たとえると

キャッチボールで、相手がぎりぎり手を伸ばして取れる所に投げるより、胸のまん中に投げたほうが、少しくらいずれても取れます。光軸も感度も「端」ではなく「まん中」に合わせるのが、安定させるコツです。

感度のつまみがある機種では、物がないとき(入光)に反応し始める A 点と、物があるとき(しゃ光)に戻る B 点を探し、A 点と B 点のまん中に合わせると最適な感度になる、とパナソニックの資料に書かれています。ボタン1つで感度を決められる機種もあります。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

光軸を反応する範囲のまん中に向け、感度をA点とB点のまん中に合わせることを示した図

苦手な環境と、反応しないときの入口

ひとことで言うとレンズの汚れ、強い外の光、湯気やホコリが苦手です。まずセンサの表示灯から見ます。

パナソニック・キーエンスの資料の注意をまとめました

苦手なこと何が起きるか対策の例
レンズの汚れ・ホコリ光が弱まり、物がないのに「さえぎられた」と思う清掃の決まり、透過型・回帰反射型ならパワーの強いタイプ
強い外の光(日光・照明)受光部に関係ない光が入る外の光の向きに角度をつける、受光部にフードを付ける
湯気・ホコリが多い場所光が散らばって届きにくい場所を変える、余裕を持った距離にする
動力線との並行配線ノイズで誤って ON・OFF する線を離す、別の配管にする

多くの光電センサには、動作表示灯のほかに安定表示灯があります。パナソニックの資料では、受け取る光の量が動作の境目に対して十分に余裕があるときに点く表示灯と説明されています。動作表示灯は点くのに安定表示灯が消えているなら、光軸のずれや汚れで余裕がなくなっているサインです。

実務の判断のコツ

付けてしばらくしてから「ときどき反応しない」が起きたら、出力の動作表示灯より先に安定表示灯を見ます。安定表示灯が消えている時間があるなら、センサの故障ではなく、汚れ・光軸のずれ・物の色の変化で余裕が減っていると考えて、清掃と光軸合わせからやり直します。センサを交換するのは、そのあとです。

ノイズで入力がちらつくときは、ノイズの通り道をインバータのノイズ対策で説明しています。詳しい誤検出の切り分けは、センサの誤検出の記事で説明します(公開しだい、ここにリンクします)。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

レンズの汚れで光が弱まる光電センサと、日光をフードでよける受光器のイラスト

仕事で使うとき:光電センサの選定チェックリスト

ひとことで言うと置き場所 → 物 → 距離 → 速さ → 出力 → 取り付け、の順に確かめます。
光電センサの選定チェックリスト
  • □ 反対側に受光器か反射板を置けるか確かめた(置けるなら透過型・回帰反射型を先に考える)
  • □ 検出する物が透明・光沢・黒くないか確かめた。そうなら専用のタイプ(透明体検出・偏光フィルタ付)か方式を変えた
  • □ 使う距離は、カタログの検出距離より内側。拡散反射型は白い紙での値だと知っている
  • □ 物が光をさえぎる時間(長さ ÷ 速さ)が、センサと PLC の遅れより十分長い
  • □ 物の大きさが、機種の最小検出物体より大きい
  • □ 止める位置のずれ(速さ × 遅れの合計)が許せる範囲
  • □ 物が来たら ON になるよう、入光時ON・遮光時ON を方式に合わせた
  • □ NPN・PNP を PLC の入力に合わせた。出力で直接動かす物の電流が上限に入る
  • □ となりのセンサとの間隔(ℓ1 の2倍)・取付台・後ろの壁の照り返しを確かめた
  • □ 光軸と感度をまん中に合わせ、安定表示灯が点くことを確かめた

よくある質問

Q. 光電センサとは何ですか?

A. 光を出す投光部と受け取る受光部を持ち、物が光をさえぎったり跳ね返したりした変化で ON・OFF を出すセンサです。

Q. 光電センサの透過型と回帰反射型の違いは何ですか?

A. 透過型は投光器と受光器を向かい合わせ、回帰反射型はセンサと反射板を向かい合わせます。回帰反射型は配線が片側で済みます。

Q. 光電センサの入光時ONと遮光時ONの違いは?

A. 入光時ONは光が届いているとき、遮光時ONは光が届かないときに出力が ON になります。方式に合わせて切り換えます。

Q. 光電センサで透明なボトルを検出できますか?

A. 光の大半が通り抜けるので苦手です。透明体検出用の回帰反射型を選び、光軸を斜めにかけるなどの対策をします。

Q. 光電管と光電センサは違うものですか?

A. 工場では、光電センサのことを昔からの呼び名で光電管と呼ぶことがあります。この記事の光電センサと同じ部品を指しています。

まとめ:光電センサは「反対側に何を置けるか」から選ぶ

POINT
  • 光電センサは、光を投げて「受け取れたか」で物を見つける。材質を選ばず、遠くから見られる
  • 透過型はキャッチボール、回帰反射型は壁当て、拡散反射型は跳ね返りを待つ。届く距離はこの順に短くなる
  • 透過型・回帰反射型は「さえぎられたら」、拡散反射型は「返ってきたら」気づく。入光時ON・遮光時ONを合わせる
  • 透明・光沢・黒は苦手。専用のタイプか、さえぎる方式に替える
  • さえぎる時間は「長さ ÷ 速さ」、行き過ぎる距離は「速さ × 遅れ」。PLC の遅れも足す
  • となりとの間隔・取付台・後ろの壁に注意し、光軸と感度はまん中に合わせる

センサが決まったら、信号を受け取る PLC の側で、入力がどう読まれるかも確かめておきましょう。

S
シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

PLC・サーボ・インバーターを実務で扱ってきた電気・制御の設計者です。制御の記事は、選び方・設定の順番・止まったときの切り分けを、実務の判断のしかたから書いています。機械(材料・機械要素・図面)の記事は本職ではないため、JIS とメーカーの技術資料を調べてまとめ、出典を示しています。

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