ガスケットとパッキンの違いは、どこにあるのか?
ふさぐ所が動くかどうかです。ガスケットはフランジやふたのような「動かない所」、パッキンは回る軸や行き来するロッドのような「動く所」のシールです(JIS B 0116 の分け方)。ただし日常の言葉では、シール全部を「パッキン」と呼ぶことも多くあります。
この記事では、水筒のふたのゴムと空気入れのピストンのゴムの2つのたとえで、最後まで説明します。条件ごとの判断表もあります。
- 用語の定義:JIS B 0116:2020(パッキン及びガスケット用語。2026年6月に改正)
- Oリングの区分:JIS B 2401-1:2012
- シールの分類と選び方:シール材のメーカーの技術資料・厚生労働省の審議会資料
- JIS B 0116:2020「パッキン及びガスケット用語」(日本規格協会のプレビュー。用語 10001 シール・10002 パッキン。2026年6月22日に JIS B 0116:2026 へ改正)
- JIS B 2401-1:2012「O リング−第1部:O リング」(プレビュー。適用範囲:運動用 P・固定用 G・真空フランジ用 V)
- ニチアス技術時報 2013 No.4「シール材の概要とニチアス製品の紹介」(ガスケット=静的シール・パッキン=動的シールの分類図、ガスケットの3分類、締付力)
- 厚生労働省 審議会資料(2008年1月)「ガスケット・パッキンの分類」(ガスケット=固定用シール・パッキン=運動用シール、慣用的にはシール材の総称をパッキンと呼ぶこともある)
情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。
- ガスケットとパッキンは、どちらも「シール」の仲間
- ガスケットとは:動かない合わせ目を、押しつぶしてふさぐ
- パッキンとは:動く所を、動きを止めずにふさぐ
- なぜ混乱する?ふだんは何でも「パッキン」と呼ぶから
- ガスケットとパッキンの違いを表で比べる
- 種類の地図:ガスケット3種類とパッキンの仲間
- Oリングはどっち?動く所にも動かない所にも使える
- どちらを選ぶ?条件ごとの判断表
- 計算してみよう①:圧力は、ふたをどれだけの力で押し開ける?
- 計算してみよう②:インバーターで速く回すと、軸のシールはどうなる?
- 電気・制御の設計者から見た注意点:盤・モーター・センサのシール
- もれたときの見方:動かない所と動く所で疑う場所が違う
- よくある質問
- まとめ:動かない所はガスケット、動く所はパッキン
ガスケットとパッキンは、どちらも「シール」の仲間
JIS では、漏れを防いだり、外から異物が入るのを防いだりする部品をまとめてシールと呼びます。ガスケットもパッキンも、このシールの仲間です。
水筒を思い浮かべてください。ふたの裏には、ゴムの輪がついています。ふたを閉めたら、ふたと本体はもう動きません。このゴムが「ガスケット」の役です。一方、自転車の空気入れのピストンにも、ゴムがついています。こちらは筒の中を何度も行き来しながら、空気をもらさずに押し出します。このゴムが「パッキン」の役です。
左のたとえを、右の本物の場所と呼び方に読みかえてください
| たとえ | 動き | 本物の機械では | 呼び方(JIS の分け方) |
|---|---|---|---|
| 水筒のふたのゴム | 閉めたら動かない | 配管のフランジ・機械のふた・ポンプの合わせ目 | ガスケット(静止用シール) |
| 空気入れのピストンのゴム | 行き来する | シリンダのロッド・ピストン | パッキン(運動用シール) |
| (回る物の例) | 回る | ポンプやモーターの回る軸 | パッキン(運動用シール) |
つまり、見分けるコツは「部品の形」ではなく「その部品をはさんでいる2つの物が、動くか、動かないか」です。

ガスケットとは:動かない合わせ目を、押しつぶしてふさぐ
配管と配管をつなぐ所には、つばのように広がった円盤(フランジ)があります。2枚のフランジをボルトで締め合わせるとき、そのあいだにはさむのがガスケットです。
金属の面は、平らに見えても小さなでこぼこがあります。そのままでは、すき間から液体がしみ出します。そこで、少しやわらかい材料を間にはさみ、ボルトで押しつぶします。するとガスケットがでこぼこに入りこみ、すき間がなくなります。
水筒のふたも、ゆるく閉めるともれますよね。ぎゅっと閉めると、ゴムがつぶれてすき間がなくなり、もれなくなります。ガスケットのしくみは、この「ぎゅっと閉める」と同じです。
ガスケットにとって大事なのは、締める力です。メーカーの技術資料では、ガスケットを締める力を、圧力容器の規格(JIS B 8265)で決まった計算式で求め、その中の一番大きな値以上で締めるよう説明しています。逆に、材料によっては強く締めすぎるとつぶれてしまうので、上限(許容面圧)も守ります。
締める力の足りない・かたよったガスケットは、最初はもれなくても、圧力や温度の上がり下がりをくり返すうちに、にじみ始めることがあります。ボルトの締め付けは、メーカーの資料と社内の手順に従ってください。

パッキンとは:動く所を、動きを止めずにふさぐ
JIS B 0116 では、パッキンを「回転運動・往復運動などの運動部に用いるシールの総称」と決めています。運動用シール、動的シールとも呼びます。
動く所では、ガスケットのようにぎゅっと押しつぶすことはできません。強く押しつけすぎると、こすれる力(摩擦)で軸が回りにくくなり、パッキンもすぐにすり減ってしまうからです。
空気入れのピストンのゴムは、筒の内側に「ちょうどよく」当たっています。ゆるすぎれば空気がもれ、きつすぎればハンドルが重くて押せません。パッキンは、この「ちょうどよさ」で、もれと動きやすさのバランスを取っています。
動き方で、使うシールの形が変わります。くわしい種類は⑦の地図で
| 動き | 場所の例 | 代表的なシール |
|---|---|---|
| 往復(行き来する) | 空気圧・油圧のシリンダのロッドとピストン | 成形パッキン(Uパッキン・Oリングなど) |
| 回転(回る) | ポンプ・モーター・減速機の軸 | グランドパッキン・オイルシール・メカニカルシール |
つまり、パッキンは「もれを止める」と「動きを止めない」を同時にこなす、ガスケットより注文の多い部品です。

なぜ混乱する?ふだんは何でも「パッキン」と呼ぶから
ここで「え、家の保存容器のふたのゴムは、パッキンって呼ぶけど?」と思った方へ。その感覚は正しいです。JIS B 0116 自身も、パッキンの説明の注記に「一般にはシールと同じ意味を表す」と書いています。厚生労働省の資料でも、慣用的にはシール材の総称をパッキンと呼ぶことがある、と注記しています。
真ん中の列が、カタログや会話でよく聞く呼び方。右が「動くか・動かないか」で見た本当の役目です
| 場面 | よくある呼び方 | JIS の分け方で言うと |
|---|---|---|
| 保存容器・水筒のふたのゴム | パッキン | 動かない所 → ガスケットの役 |
| 制御盤・端子箱の扉のふちのゴム | パッキン(盤のカタログでもこう呼ぶことが多い) | 閉めたら動かない → ガスケットの役 |
| 配管のフランジのあいだのシート | ガスケット | ガスケット |
| シリンダのロッドのゴム | パッキン | パッキン |
| モーター・減速機の軸のゴムのリング | オイルシール | 動く所のシール(パッキンの仲間) |
図面や部品の注文で迷ったら、名前より「どこに使うか」と「メーカーの型番」で伝えると、取り違えがありません。会話で「パッキン」と言われたら、動く所か動かない所かを聞き返すと話が早くなります。

ガスケットとパッキンの違いを表で比べる
左の列の観点ごとに、2つを横に比べます。材料の例はメーカーの技術資料の分類から
| 比べる所 | ガスケット | パッキン |
|---|---|---|
| 使う所 | 動かない所(フランジ・ふた・合わせ目) | 動く所(回る軸・行き来するロッド) |
| 別の呼び方 | 静止用シール・固定用シール | 運動用シール・動的シール |
| 止め方 | ボルトで強く押しつぶして、すき間を埋める | ちょうどよい力で当てて、動きを止めずにふさぐ |
| 大事な数字 | 締める力(面圧)・圧力・温度 | 動く速さ・圧力・温度・すり減り |
| こわれ方の例 | 締め不足・かたより・材料のつぶれ | すり減り・軸の傷・熱 |
| 材料の例 | ゴム・シート・PTFE・膨張黒鉛・金属 | ゴム・樹脂・繊維を編んだもの・金属とゴムの組み合わせ |
水筒のふたのゴムは「一度ぎゅっと閉めたら、じっと耐える」係、空気入れのゴムは「こすれながら働き続ける」係です。だから、ふたのゴムは押しつぶされても平気な材料、空気入れのゴムはこすれに強い材料と、求められるものが違います。

種類の地図:ガスケット3種類とパッキンの仲間
シール材のメーカーの技術資料では、ガスケットを材料で次の3つに分けています。
上から下へ、やわらかい材料から金属へ。温度と圧力が高い所ほど下の段になります
| ガスケットの種類 | どんなものか | 向く場面の例 |
|---|---|---|
| 軟質ガスケット | ゴム・繊維を固めたシート・PTFE(ふっ素樹脂)・膨張黒鉛など、やわらかい材料だけ | 水・油・空気など、温度と圧力がほどほどの所 |
| セミメタルガスケット | 金属とやわらかい材料の組み合わせ(うず巻形など) | 温度・圧力が高めの配管 |
| メタルガスケット | 金属だけ(金属のリング・中空の金属Oリングなど) | とても高い温度・圧力 |
パッキンは、型で作る成形パッキン(Oリング・Uパッキン・Vパッキンなど)と、繊維をひも状に編んだ編組パッキン(グランドパッキンに使う)に分かれます。さらに、回る軸用のオイルシールやメカニカルシールもあります。
ゴムの材料(NBR・EPDM・ふっ素ゴムなど)は、流れる液体や温度によって、ふくらんだり硬くなったりします。材料の選び方は、メーカーの「適合表」で確かめてください(このサイトでは、ゴム材料の比べ方を別の記事で扱う予定です)。

Oリングはどっち?動く所にも動かない所にも使える
断面が丸いゴムの輪をOリングと呼びます。溝にはめて、相手の面との間で少しつぶして使います。
JIS B 2401-1 では、一般の機械に使う Oリングを、次の3つに分けて寸法を決めています。
Oリングの品番の頭の文字(P・G・V)で、どの用途の寸法かがわかります
| 記号 | 名前 | 使い方の例 |
|---|---|---|
| P | 運動用 Oリング | シリンダのピストン・ロッドなど動く所(動かない所にも使われる) |
| G | 固定用 Oリング | ふた・合わせ目など動かない所 |
| V | 真空フランジ用 Oリング | 真空の装置のフランジ |
Oリングは、水筒のふたにも、空気入れのピストンにも使える「万能のゴムの輪」です。ただし、どちらに使うかで、はめる溝の深さや幅の決め方が変わります。
溝の寸法やつぶし方の決め方は、メーカーの表と JIS の付表で決まっています。くわしくは、このサイトで順に公開する Oリングの記事で扱います。

どちらを選ぶ?条件ごとの判断表
上から順に、自分の場所に近い行を探します。最後の行は、どれにも当てはまらないときの答えです
| 条件 | 選ぶもの | 次に確かめること |
|---|---|---|
| 2つの面が動かない(ふた・フランジ) | ガスケット | 流体・温度・圧力 → 軟質・セミメタル・メタルのどれか |
| 動かない所で、よく開け閉めする | Oリング(固定用 G)や、扉用のゴム | 溝の寸法・開け閉めの回数 |
| 行き来する(シリンダ) | 成形パッキン(Uパッキン・Oリング P など) | 圧力・速さ・シリンダのメーカーの指定品 |
| 回る軸で、油を中に閉じこめたい | オイルシール | 軸の直径・回る速さ(周速)・油の種類 |
| 回る軸で、圧力のある液体を止めたい(ポンプ) | グランドパッキン・メカニカルシール | ポンプのメーカーの指定 |
| 迷ったら | 機械のメーカーが指定する純正品 | 取扱説明書の部品表の型番 |
いいえ → ガスケット(固定用のOリングを含む)
いいえ → →Q3
いいえ → 機械のメーカーに相談
どの場合も、最後は「流体」「温度」「圧力」の3つで、メーカーの選定表を見て決めます。メーカーの技術資料でも、シール材はこの3つを基本に選ぶと説明しています。

計算してみよう①:圧力は、ふたをどれだけの力で押し開ける?
なぜこの計算をするのでしょうか。ガスケットを「ぎゅっと締める」必要がある理由が、数字でわかるからです。中の圧力は、ふたを内側から押し開けようとします。ボルトとガスケットは、その力に負けずに、すき間をふさぎ続けなければなりません。
式の出どころは、圧力の決め方そのものです。圧力とは「1つの面積あたりに、どれだけの力がかかっているか」のことです。
圧力 = 力 ÷ 面積 だから 力 = 圧力 × 面積
1 MPa は「1 mm² あたり 1 N」。単位を N/mm² に直すと、mm² と掛けて N が出ます
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| F | ふたを押し開けようとする力 | N(ニュートン。約0.1kgの物の重さが1N) |
| P | 中の圧力 | MPa(メガパスカル)。1 MPa = 1 N/mm² |
| A | 圧力を受けるふたの面積 | mm² |
100 mm ÷ 2 = 50 mm
A = 3.1416 × 50 mm × 50 mm = 7,854 mm²
P = 0.5 MPa = 0.5 N/mm²
F = 0.5 N/mm² × 7,854 mm² = 3,927 N
3,927 N ÷ 9.8 ≒ 401 kg重
3,927 N ÷ 4 本 ≒ 982 N(約100 kg重)
つまり、ボルトは「この 3,927N に耐える力」に加えて、「ガスケットを押しつぶしてすき間を埋める力」も出さなければなりません。だからガスケットのある所のボルトは、決められた力でしっかり締めるのです。実際の締め付けの力は、ガスケットのメーカーの資料にある係数を使って、規格の式で計算します。
面積が2倍になると、力も2倍です。直径が2倍(200mm)なら面積は4倍なので、同じ圧力でも力は4倍の約15,700N になります。大きなふたほど、ガスケットとボルトの負担は急に増えます。

計算してみよう②:インバーターで速く回すと、軸のシールはどうなる?
ここは、電気・制御の仕事とシールがつながる所です。インバーターを使うと、モーターをもとの回転より速く回すこともできます。そのとき、軸に当たっているオイルシールなどのパッキンは、より速くこすられます。オイルシールには、メーカーごとに「この速さまで」という目安(許容周速)があります。
空気入れのハンドルを、ゆっくり押すのと、すごい速さで押すのとでは、ピストンのゴムの熱くなり方もすり減り方も違いますよね。回る軸のシールも、速くこすられるほど熱を持ち、すり減りやすくなります。
式の出どころは、円の周りの長さです。軸が1回転すると、軸の表面の1点は「直径×π」の長さだけ進みます。それに1秒あたりの回転数をかければ、1秒に進む長さ=速さになります。
周速 v [m/s] = π × 軸の直径 d [m] × 回転数 n [min⁻¹] ÷ 60
÷60 は、回転数の単位が「1分あたり(min⁻¹)」なので、1秒あたりに直すためです。
d = 24 mm = 0.024 m
3.1416 × 0.024 m = 0.0754 m
1,800 ÷ 60 = 30 回/s
v = 0.0754 m × 30 回/s = 2.26 m/s
v = 0.0754 m × 60 回/s = 4.52 m/s
つまり、インバーターで回転数を上げる設計をするときは、モーターや機械の許す回転数だけでなく、軸のシールの許容周速も確かめる必要があります。許容周速は、シールの形・材料・潤滑の条件でメーカーごとに違うので、シールのカタログと機械の取扱説明書で確かめてください。
インバーターを容量でなく電流で選ぶ手順がわかる

電気・制御の設計者から見た注意点:盤・モーター・センサのシール
ガスケットやパッキンは「配管の部品」と思われがちですが、電気・制御の機器のまわりにもたくさん使われています。どこで、何を守っているかを表にまとめます。
左が場所、2列目が「動くか・動かないか」で見た役目、右の列が設計で確かめることです
| 場所 | シールの役(JIS の分け方) | 守っているもの | 設計で確かめること |
|---|---|---|---|
| 制御盤・端子箱の扉のふち | 動かない所(ガスケットの役。呼び方はパッキン) | 盤の中の機器を、水・ほこり・油のミストから | 盤の保護等級(IP)、扉を閉めたときのつぶれ方 |
| ケーブルの入口(ケーブルグランド) | 動かない所 | ケーブルの穴からの水・ほこり | ケーブルの外径が、グランドの合う範囲に入るか |
| モーター・減速機の軸 | 回る所(オイルシール) | 中の油がもれないように・外のごみが入らないように | インバーターで上げる回転数と、許容周速(⑪) |
| 空気圧シリンダ | 行き来する所(パッキン) | 中の空気がもれないように | パッキンがすり減ると動きが遅れ、センサの信号のタイミングがずれる |
| センサ・コネクタ | 動かない所(Oリングなど) | センサの中への水・切削油 | センサの保護等級と、コネクタの締め忘れ |
保護等級(IP)と、扉のシール
制御盤やセンサのカタログに「IP65」「IP67」とある数字は、JIS C 0920 のIP コードです。1つ目の数字がほこり(固形物)、2つ目の数字が水に対する守りの強さです。たとえば IP65 は、ほこりが中に入らず(6)、ノズルからの水の噴流にも耐える(5)という意味です。IP67 の 7 は、一時的に水に沈んでも耐える、という意味です。
この守りを実際に受け持っているのが、扉やふたのシールです。シールが切れたり、はがれたり、つぶれたまま戻らなくなったりすると、カタログの IP の数字は守れなくなります。
盤の中の故障の調べ方で、水や油のあとが見つかったら、まず扉のシールとケーブルの入口を見る、という順番がおすすめです。電気の部品を替えても、入口がふさがっていなければ同じことがくり返されます。
制御盤の中に何が入り、どの順で設計するかがわかる

もれたときの見方:動かない所と動く所で疑う場所が違う
シールのまわりからもれやにじみが見つかったときの、一般的な見方の順番を表にまとめます。分解や部品の交換は、機械の取扱説明書と社内の手順に従い、必ず機械を止めて圧力を抜いてから行ってください。
上の行から、症状が近い行を探してください。ここで書いたのは一般的な見方です。機械ごとの手順は取扱説明書が優先です
| 症状・いつ出るか | まず疑う原因 | 確かめる場所・測るもの | 直し方 |
|---|---|---|---|
| 動かない所(フランジ・ふた)からにじむ | ボルトの締め不足・締め方のかたより | ボルトのゆるみ、すき間が一周で同じか | メーカーの資料の締め方(順番・力)で締め直す |
| 動かない所で、締め直してもにじむ | ガスケットのつぶれ・劣化、合わせ面の傷 | 外したガスケットの形、面の傷やさび | 新しいガスケットに替える。使い回しはメーカーの資料に従う |
| 回る軸のまわりに油がにじむ | オイルシールのすり減り・硬化、軸の表面の傷 | 軸のシールが当たる所の傷、シールのゴムのひび | シールを替える。軸に傷があれば軸側も見直す |
| シリンダの動きが遅くなった・止まる位置がずれる | ピストンやロッドのパッキンのすり減り(空気がもれる) | 排気口からの空気の音、動く時間 | パッキンかシリンダごと替える |
| 盤の中に水やほこりのあと | 扉のシールの切れ・はがれ、ケーブルの入口 | 扉を閉めたときのシールのつぶれ方、入口のすき間 | シールの交換、グランドの締め直し |
圧力のかかった配管や、熱い油の入った機械のシールは、運転中に触れたり分解したりしないでください。止めて、圧力を抜き、温度が下がったことを確かめてから作業します。作業の安全の決まりは、社内のルールに従ってください。
シリンダの位置をセンサで見るときの選び方がわかる
よくある質問
まとめ:動かない所はガスケット、動く所はパッキン
- ガスケットもパッキンも、すき間からのもれと異物の侵入を防ぐ「シール」の仲間
- ガスケットは動かない所(フランジ・ふた)を、ボルトで押しつぶしてふさぐ。水筒のふたのゴムの役
- パッキンは動く所(回る軸・行き来するロッド)を、動きを止めずにふさぐ。空気入れのピストンのゴムの役
- 日常では、盤の扉のゴムなどもまとめて「パッキン」と呼ぶ。迷ったら「両側が動くか」で見分ける
- 圧力×面積がふたを押し開ける力(0.5MPa・直径100mm で約3,927N)。ガスケットとボルトはこれに耐える
- 周速は回転数に比例。インバーターで回転を上げるときは、軸のシールの許容周速も確かめる
シールが守っている機械のまわりには、モーター・センサ・制御盤があります。次は、そのモーターに要る力を計算で確かめてみましょう。
PLC・サーボ・インバーターを実務で扱ってきた電気・制御の設計者です。制御の記事は、選び方・設定の順番・止まったときの切り分けを、実務の判断のしかたから書いています。機械(材料・機械要素・図面)の記事は本職ではないため、JIS とメーカーの技術資料を調べてまとめ、出典を示しています。


