圧着端子の種類と選び方|R形・Y形・棒端子(フェルール)と型番の読み方

圧着端子は電線と端子の握手。圧着工具で丸形端子をかしめるイラスト 制御盤

※この記事にはプロモーションが含まれています。

圧着端子は、電線の先に金属の筒をかぶせ、工具でかしめて電線と一体にする部品です。ねじで締める所には輪っかの R形かフォークの Y形、差しこむ端子台には棒端子(フェルール)を使います。

「R1.25-4」は、1.25 mm² 前後の電線を M4 のねじに付ける R形、という意味です。工具は端子のメーカーが指定するものを使います。

この記事では、圧着端子を電線と端子の「握手」にたとえて、最後までその話で説明します。選ぶ4つの順番の判断表と、かしめ不良の見分け方もあります。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

圧着端子とは?電線と端子の「握手」

ひとことで言うと圧着端子は、電線の先にかぶせた金属の筒を工具で押しつぶし、電線と一体にする部品です。

電線の先に、金属の筒(バレルと呼びます)がついた部品をかぶせます。そして専用の工具で筒をぎゅっと押しつぶします。すると筒の中で電線の銅と筒の金属がすき間なく押し合い、1つのかたまりのようになります。

たとえると

握手を思い浮かべてください。手を軽く添えただけでは、引っぱるとすぐ離れます。逆に、強く握りすぎると相手の指を痛めます。ちょうどよい力で手のひら同士がぴったり合ったとき、引っぱっても離れず、気持ちも通じ合います。圧着も同じで、ちょうどよい力でかしめたとき、電線と端子がしっかりつながり、電気もよく流れます。

この「押しつぶして一体にする」ことを圧着、押しつぶす動作をかしめると呼びます。はんだのように熱を使わないので、工具さえ合っていれば、誰がやっても同じ仕上がりになりやすいのが長所です。

左の言葉が出てきたら、右の本物に読みかえてください

握手のたとえ圧着では
手のひら電線の銅(素線)と、端子の筒(バレル)
ちょうどよい力で握る合う工具・合う穴で、最後まで握り切ってかしめる
手を添えただけゆるいかしめ(抜ける・熱を持つ)
強く握りすぎるかしめすぎ(素線がつぶれて切れやすい)

JIS では、圧着端子を「裸圧着端子」(筒がむき出し)と「絶縁被覆付圧着端子」(筒にビニルなどのカバーがついたもの)に分けています。どちらも、決まった工具で圧着して使う部品です。

圧着は電線と端子の握手であることを示すイラスト

なぜ電線をそのままねじに巻かないの?

ひとことで言うと盤の電線の多くは細い線をより合わせた撚線で、そのままねじに巻くとばらけて、ゆるみや接触不良の原因になるからです。

制御盤の配線によく使う電線は、髪の毛より少し太いくらいの細い銅の線を何十本もより合わせたものです。これを撚線(よりせん)と呼び、1本1本の細い線を素線と呼びます。撚線は曲げやすいので、狭い盤の中で配線しやすいのです。

たとえると

ほどけかけたひもの先を、そのまま穴に通そうとすると、先がばらけて入りません。無理に結んでも、引っぱるとほどけます。撚線も同じで、先をそのままねじに巻くと、ねじを締めたときに素線が逃げて外へはみ出し、締めたつもりでも押さえられている素線は一部だけ、ということが起きます。

圧着端子をつけると、ばらばらの素線が1つのかたまりになり、ねじの頭で広い面を押さえられます。はみ出した素線がとなりの端子にふれる心配も減ります。

  • 素線がばらけない → ねじで押さえる面が広く、ゆるみにくい
  • はみ出した素線がとなりにふれない → 短絡(ショート)を防ぐ
  • 外すときも電線を傷めにくい → 点検や交換がしやすい

電線どうしや電線と部品のつなぎ目には、「電気の抵抗を増やさない」「引っぱりに弱くしない」といった考え方があります。電気の法令の決まりは、同じ筆者が運営する電気と品質管理のブログ shirasusolo.net の電線の接続の4原則の記事で解説しています。

撚線をそのままねじに巻くとばらけ、圧着端子をつけると整うことを比べたイラスト

圧着端子の種類:R形・Y形・棒端子(フェルール)

ひとことで言うとねじに付けるなら輪っかの R形かフォークの Y形、差しこむ端子台なら棒端子。さらに、筒がむき出しか、カバー付きかで分かれます。

圧着端子は、先の形で大きく3つに分かれます。どれも電線の側(筒)は同じしくみで、相手の端子につなぐ先の形が違います。

たとえると

R形は指輪、Y形はフォーク、棒端子は靴ひもの先のキャップ(ひもの先についている、ほつれ止めの小さな筒)を思い浮かべてください。指輪はねじをすっぽり囲み、フォークは横から差しこみ、キャップは細い穴に差しこむための先っぽです。

左から順に、名前・形・どこにつなぐか・よい所・注意。どれを選ぶかは、まずつなぐ相手(右から2列目)で決まります

種類先の形つなぐ相手長所気をつけること
R形(丸形)輪っかねじで締める端子(端子台・機器)ねじがゆるんでも抜け落ちにくい付けるときにねじを外す必要がある
Y形(先開形)フォークねじで締める端子ねじをゆるめるだけで差しこめる。付け外しが早いねじがゆるむと抜けやすい
棒端子(フェルール)細い筒差しこむ端子台・ねじで上から押さえる端子台素線のばらけを防ぎ、差しこむだけでつなげる端子台が棒端子に対応しているかを確かめる

裸端子と、カバー付きの絶縁付端子

同じ形でも、筒がむき出しの裸端子と、筒にビニルなどのカバーをかぶせた絶縁付端子があります。絶縁付端子は、となりの端子や盤の金属にふれても電気が流れにくく、カバーの色で電線の太さの区分がわかるのも便利です(⑦)。

JIS では、絶縁付端子は「制御回路などの配線に用いる」と注記されています。大きな電流が流れるモーターの線などには、裸端子に別のカバー(絶縁キャップ)をかぶせて使う形もよく見かけます。

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R形は輪っか、Y形はフォーク、棒端子は靴ひもの先のキャップにたとえたイラスト

R形とY形の使い分け:ねじがゆるんだときを考える

ひとことで言うとゆるんでも外れては困る所は R形、付け外しが多い所は Y形。迷ったら R形です。

R形と Y形の違いは、ねじがゆるんだときにどうなるかです。機械の振動や温度の変化で、ねじは少しずつゆるむことがあります。

たとえると

指輪は、指が細くなってもすっぽ抜けにくいですが、外すには指先から抜く必要があります。フォークで刺した食べ物は、横からすっと入れられますが、傾けると落ちます。R形は指輪、Y形はフォークと同じ性格です。

  • R形:輪っかがねじの軸をぐるりと囲むので、ねじがゆるんでも、ねじを抜かないかぎり外れません。そのかわり、付けるときはねじを外して輪っかを通します
  • Y形:ねじをゆるめるだけで、横から差しこめます。付け外しは早いですが、ねじがゆるむと横へ抜けてしまうことがあります

つまり、「外れたら困るかどうか」と「付け外しをどれくらいするか」のつり合いで決めます。

実務の判断のコツ

迷ったら R形を選びます。止まると困る回路、振動する機械の上の端子、動力の線は R形にしておくと、ねじがゆるんだときに「つながったまま」で済み、点検で見つけられる時間が残ります。Y形は、試運転で付け替えが多い所や、ねじを外すと部品が落ちる場所など、付け外しのしやすさに理由がある所に限ると、選ぶ基準が人によってぶれません。

ねじがゆるんだとき R形は外れにくく、Y形は抜けやすいことを示す図

棒端子(フェルール)とは:靴ひもの先のキャップ

ひとことで言うと棒端子は、撚線の先を細い筒でまとめ、差しこむ端子台やねじで上から押さえる端子台に、ばらけずに差しこむための部品です。
たとえると

靴ひもの先のキャップがなかったら、ひもの先がほつれて、靴の小さな穴に通せません。キャップがあるから、すっと通ります。棒端子も、撚線の先をまとめて、端子台の小さな穴に差しこみやすくします。

最近の制御盤では、ねじを回さずに差しこむだけでつなげる端子台(プッシュイン式・スプリング式)が増えています。こうした端子台に撚線をそのまま差しこむと、素線が折れたり、一部が入らなかったりします。棒端子をつけると、素線がまとまったまま奥まで入ります。

ねじで上から押さえる形の端子台(ねじの下の板で電線をはさむ形)でも、棒端子をつけると、ねじを締めたときに素線がつぶれて散るのを防げます。

  • カラー付き(根もとにプラスチックの襟がある):電線の被覆を襟で受けて、むき出しの銅が見えにくい。色で太さを見分けられる
  • カラーなし(金属の筒だけ):細い場所に向くが、むき長さをそろえる手間が少し増える
  • 2本用(ツイン):1つの穴に2本の電線を入れたいときの専用品
注意|ここで間違えやすい

棒端子のカラーの色は、太さを見分ける目印ですが、色の決まりは1つではありません。ドイツの規格(DIN)の色と、フランスの規格の色など、系統によって同じ太さでも色が違います。色だけで判断せず、袋の表示やメーカーの表で太さを確かめてください。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

棒端子は靴ひもの先のキャップのように素線のばらけを防ぎ、差しこみ式の端子台に使うことを示すイラスト

型番(呼び)の読み方:「R1.25-4」は何を表す?

ひとことで言うと「R1.25-4」は、R形で、電線の太さの呼びが 1.25、ねじの太さが M4、という意味です。

圧着端子の袋やカタログには、「R1.25-4」「2-4」「5.5-6」のような記号が書かれています。これを呼びと言います。読み方を覚えると、端子が自分の電線とねじに合うかがすぐにわかります。

たとえると

靴のサイズの「24.5」が足の長さを表すように、呼びの数字は「この端子が受け入れられる電線の太さ」と「通せるねじの太さ」を表しています。

  • 先頭の文字:形(R=丸形。メーカーによっては省略したり、Y形を別の記号で表したりします)
  • 1つ目の数字:合う電線の太さの呼び(mm²。1.25・2・3.5・5.5・8 など)
  • ハイフンのあとの数字:ねじの太さ(4 なら M4。端子の穴は少し大きく、R1.25-4 の穴は直径 4.3 mm)

ここで大事なのは、呼びの 1.25 は「1.25 mm² ぴったりの電線」ではなく「ある範囲の電線」だという点です。メーカー2社のカタログで照らし合わせた、撚線の範囲は次のとおりです。

左の呼びの端子に、真ん中の範囲の太さの撚線が入ります。色は絶縁付端子のカバーの標準色の例で、メーカーと品番で違うことがあります

呼び合う撚線の断面積(mm²)AWG の目安絶縁付の標準色の例
1.250.25〜1.6522〜16赤
21.04〜2.6316〜14青
5.52.63〜6.6412〜10黄
86.64〜10.528(カタログで確かめる)

範囲のつなぎ目(2.63 mm² など)は、2つの呼びのどちらにも入ります。ちょうど境目の電線は、ゆるくならないように小さいほうの呼びから試し、入らなければ大きいほうにします。単線(1本の太い線)には、別に「直径◯〜◯ mm」の範囲が決まっています。

AWG は、アメリカで使われる電線の太さの番号です(数字が小さいほど太い)。電線の太さそのものの選び方や AWG の換算は、shirasusolo.net の電線の太さの選び方の記事で計算つきで解説しています。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

圧着端子の呼び R1.25-4 の読み方と、呼びごとに合う電線の太さの範囲の図

計算してみよう①:素線から電線の太さを出し、合う端子を選ぶ

ひとことで言うと電線の太さ(断面積)は「素線1本の断面積 × 本数」。出た値が、端子の呼びの範囲に入っているかで選びます。

電線の被覆に太さが書いていない、2本まとめて1つの端子に入れたい。そんなときに端子の呼びを選びまちがえると、ゆるいかしめ(抜ける)か、入らない(無理に入れて素線を切る)になります。そこで、電線の太さを自分で確かめる計算をします。

たとえると

スパゲッティの束の太さを知りたいとき、1本の太さと本数がわかれば、束の太さが見積もれます。電線も同じで、細い素線の束です。

式の出どころ:電線の「太さ」は、銅の断面(輪切りにした面)の面積で表します。円の面積は、小学校で習う「半径 × 半径 × 円周率」です。素線1本の断面積を出し、本数を掛ければ、束全体の銅の面積になります。

電線の断面積[mm²] = 円周率 π × (素線の直径 ÷ 2)² × 素線の本数

  • π(パイ):円周率。3.14 として計算します
  • 素線の直径[mm]:1本の細い線の太さ。電線のカタログに「50/0.18」のように書かれ、斜線の右が直径、左が本数です
  • 断面積[mm²]:mm × mm なので、単位は平方ミリメートル。盤の世界では「スケア(sq)」とも呼びます

例として、盤の配線によく使う電気機器用ビニル絶縁電線(KIV)の 1.25 mm² を計算します。カタログでは、素線の構成は 50/0.18(直径 0.18 mm の素線が 50 本)です。

計算例
計算例1:KIV 1.25 mm²(50/0.18)はどの端子に合うか
素線の半径を出す(直径を2で割る)
0.18 mm ÷ 2 = 0.09 mm
素線1本の断面積(π × 半径 × 半径)
3.14 × 0.09 mm × 0.09 mm = 0.02543 mm²
本数を掛けて、電線全体の断面積に
0.02543 mm² × 50 本 = 1.272 mm²
端子の呼びの範囲と比べる(1.25 は 0.25〜1.65 mm²)
0.25 ≦ 1.272 ≦ 1.65 → 範囲に入る
KIV 1.25 mm² は、呼び 1.25 の端子(R1.25-◯ など)に合う

答えは 1.272 mm² で、名前の「1.25」とほぼ同じです。電線の名前の太さは、この計算でだいたい確かめられる、ということです。

次は、1つの端子に2本の電線をまとめて入れる場合です。渡り配線(となりの機器へ同じ線をつなぐ)で、よく出てきます。2本なら、断面積を足し算します。

計算例
計算例2:KIV 1.25 mm² を2本・3本まとめて1つの端子に入れる
1本の断面積(計算例1より)
1.272 mm²
2本の合計(足し算)
1.272 mm² × 2 = 2.544 mm²
呼び 1.25(〜1.65 mm²)と比べる
2.544 > 1.65 → 入らない
呼び 2(1.04〜2.63 mm²)と比べる
1.04 ≦ 2.544 ≦ 2.63 → 範囲に入る
3本の合計
1.272 mm² × 3 = 3.817 mm²
呼び 2 と 5.5(2.63〜6.64 mm²)と比べる
3.817 > 2.63 → 2 は不可、5.5 なら範囲に入る
2本なら呼び 2、3本なら呼び 5.5 の端子を選ぶ(端子台が2本まとめを許しているかは別に確かめる)

桁の感覚も確かめます。2本で 2.5 mm² くらい、3本で 4 mm² くらいと、本数に比例して増えるだけです。答えが 10 倍や 10 分の 1 になったら、直径と半径を取りちがえていないかを見直します。

同じ計算で、KIV 2.0 mm²(37/0.26)は 1.964 mm²、3.5 mm²(45/0.32)は 3.619 mm² になり、どちらも名前の太さとほぼ同じです。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

素線の太さと本数から電線の断面積を出し、合う端子を選ぶ計算の流れ図

計算してみよう②:むく長さと、かしめた所の強さ

ひとことで言うとむく長さは「筒の長さ+少しの余り」。かしめた所の強さの目安は、規格の表の値を身近な重さに直すとイメージできます。

被覆をむく長さが短すぎると、筒の奥まで銅が届かず、かしめても半分しかつかめません。長すぎると、筒からむき出しの銅がはみ出します。どれくらいむけばよいかは、端子の寸法から決まります。

たとえると

靴下を履くとき、つま先までしっかり入れないと脱げやすく、引っぱり上げすぎると足首でたるみます。電線も、筒の奥までちょうど入る長さがあります。

式の出どころ:棒端子なら、銅が入る金属の筒の長さぶんをむき、根もとのカラー(襟)の中に被覆が少し入る分を足します。メーカーのデータシートに、むき長さとして書かれている値です。

むく長さ = 金属の筒(接触部)の長さ + カラーの中に入る分

計算例
計算例3:4 mm² 用の棒端子(接触部 10 mm)のむく長さ
データシートの接触部の長さ
10 mm
カラーの中に入る分(データシートのむき長さとの差)
12 mm − 10 mm = 2 mm
むく長さ(足し算)
10 mm + 2 mm = 12 mm
むいたあとに確かめること
筒の先から素線がそろって見え、被覆の切り口がカラーの中に隠れる
この棒端子なら被覆を 12 mm むく(データシートのむき長さと同じ)

R形・Y形でも考え方は同じです。モレックスの圧着ハンドブックでは、筒の先から少しだけ素線の先が出ている状態(心線ブラシ)を約1 mm 以内とし、先が筒の端に届いていないものや、相手につなぐ面まで突き出したものを不良としています。

次は、かしめた所がどれくらいの力に耐えるかのイメージです。同じハンドブックには、アメリカの UL 486A という規格の引っぱりの強さの表があり、16 AWG(1.25 mm² に近い太さ)では 30 lbf(重量ポンド)です。ポンドではピンとこないので、ニュートンと重さに直します。

  • lbf(重量ポンド):力の単位。1 lbf は約 4.448 N(ニュートン)
  • N(ニュートン):力の単位。地球の上では、1 kg のものは約 9.8 N の力で下に引かれます
計算例
計算例4:16 AWG の引っぱりの強さ 30 lbf を、身近な重さに直す
ニュートンに直す(1 lbf = 4.448 N を掛ける)
30 lbf × 4.448 N/lbf = 133.4 N
重さに直す(9.8 N で 1 kg なので、9.8 で割る)
133.4 N ÷ 9.8 N/kg = 13.6 kg
正しくかしめた細い電線は、およそ 13.6 kg のおもりをぶら下げても抜けない強さが目安

つまり、手で軽く引っぱって抜けるようなら、かしめは明らかに足りません(現場で試験機を使わずに、手で軽く引いて確かめるのはこのためです)。13 kg 前後といえば、2リットルのペットボトル6〜7本分の重さです。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

棒端子の長さからむき長さを決める図
おすすめの道具

むく長さをそろえるには、電線の太さに合った穴でむけるワイヤーストリッパーを使います。その例です。ベッセルのワイヤーストリッパー No.3500E-1 は、販売ページの表示では、0.2〜3.3 mm²(AWG 24〜12)の電線と 0.5〜2.0 mm の単線に合う穴があり、グリップに AWG・mm²の換算表がついています。電気が流れている電線には使わないでください。

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圧着工具の選び方:端子の種類ごとに専用の工具がある

ひとことで言うと裸端子・絶縁付端子・棒端子で工具が違います。端子メーカーが指定する、握り切るまで開かない工具を使います。

圧着工具は、ペンチのような形をしていますが、口の部分に、端子の呼びごとの形をつけた穴(ダイス)があります。ここに端子を入れて握ると、筒が決まった形と深さに押しつぶされます。

たとえると

握手の力加減を、いつも同じにしてくれる手袋のようなものです。だれが握っても、ちょうどよい力で止まるようにできています。

左の工具は、右から2列目の失敗を起こさないために分かれています。袋や工具に書かれた適用端子を必ず見ます

工具の種類使う端子かしめた形の例まちがえると
裸端子用裸の R形・Y形筒の片側に、くぼみをつける絶縁付端子に使うとカバーが割れる
絶縁付端子用カバー付きの R形・Y形カバーの上から、筒を丸くつぶす裸端子に使うとかしめが浅くなる
棒端子用棒端子四角や六角の形に、まわりから押すR形用でつぶすと、平たくなって差しこめない

多くの手動の圧着工具には、握り切るまで口が開かないしくみ(ラチェット)がついています。途中で力をゆるめても戻らないので、「かしめが足りないまま外してしまう」失敗を防げます。

JIS C 2805 は、圧着端子を「JIS C 9711 に決められた工具」か「端子のメーカーが指定する工具」で圧着するものとしています。工具の口の形や深さは、端子の寸法に合わせて作られているからです。たとえば、ある裸端子のカタログでは、呼び 1.25〜5.5 は同じ手動の工具の3つの穴を使い分け、8 からは別の工具を指定しています。

実務の判断のコツ

端子と工具は同じメーカーのものでそろえ、盤を作る人のあいだで「この端子にはこの工具のこの穴」という対応表を1枚決めておきます。似た形の工具でも、口の形や深さは端子に合わせて作られているので、ほかのメーカーの工具で代用すると、見た目はかしめられても、ゆるいかしめやかしめすぎになりやすいからです。

出典

情報の確認時点:2026年10月。機種ごとの値は、お使いの機種の取扱説明書で確かめてください。

裸端子用・絶縁付端子用・棒端子用の3種類の圧着工具のイラスト
おすすめの道具

裸の R形・Y形の端子に使う、裸端子用の圧着工具の例です。ロブテックスの AK15A は、販売ページの表示では JIS C 9711 適合の裸圧着端子用の圧着工具で、使用範囲は 1.25・2・5.5・8 です(絶縁被覆付きの端子は対象に入っていません)。使う端子のメーカーが指定する工具かを、端子のカタログで確かめてください。

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棒端子には、まわりから押してかしめる棒端子用の工具を使います。その例です。フエニックス・コンタクトの CRIMPFOX 6 は、販売ページの表示では、0.25〜6.0 mm² の棒端子(絶縁カラーのないもの・あるもの)に使う、加圧ロック機構つきの圧着工具です。使う棒端子のメーカーが合う工具としているかを、カタログで確かめてください。

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圧着のやり方:5つの手順

ひとことで言うと呼びを合わせる → むく → 差しこむ → 合う穴で握り切る → 目で見て軽く引く、の順です。
注意|ここで間違えやすい

盤の中で配線を付け替えるときは、電源を切り、電圧がないことを検電器などで確かめてから作業します。盤の扉を開けての作業ができるかどうかは、職場のルールと機器の取扱説明書に従ってください。

STEP 1

電線と端子の呼びを合わせる。電線の太さ(⑧の計算)と、端子の呼びの範囲を確かめます。ねじの太さ(呼びのハイフンのあと)が相手の端子に合うかも見ます。

STEP 2

被覆をむく。端子のカタログやデータシートのむき長さに合わせます。素線を傷つけないよう、電線の太さに合ったワイヤーストリッパーの穴を使います。むいた素線は、より目に沿って軽くねじってそろえます。

STEP 3

筒の奥まで差しこむ。素線が1本も外にはみ出さないように、筒の奥まで入れます。絶縁付端子は、被覆がカバーの中まで入っていることを確かめます。

STEP 4

合う穴に入れて、最後まで握り切る。工具の穴の表示(1.25・2・5.5 など)と端子の呼びを合わせ、筒の真ん中がかしめられる位置に置きます。ラチェットが外れて口が開くまで握り切ります。

STEP 5

目で見て、軽く引っぱる。素線のはみ出し・先の出かた・かしめた位置(⑫の表)を見て、手で軽く引っぱって抜けないことを確かめます。

このうち、いちばん失敗が多いのは2と4です。むき長さが合っていない、穴の大きさをまちがえた、握り切らずに外した、のどれかで、⑫の不良のほとんどが起きます。

圧着端子をかしめる5つの手順の流れ図

かしめ不良の見分け方:ゆるい握手と、強すぎる握手

ひとことで言うと断面にすきまが残るゆるいかしめは抜け、素線がつぶれたかしめすぎは切れます。外から見える所で、どちらの兆しかを見分けます。

かしめた所の中は見えませんが、中で何が起きているかを知っておくと、外から見る場所がわかります。次の動く図で、3つのかしめ方を比べてみましょう。

動かして確かめる

かしめ方を選ぶと、真ん中に筒(バレル)を輪切りにした断面が出ます。次に「▶ 引っぱってみる」を押すと、右の手が電線を少しずつ強く引っぱります。3つのかしめ方で、断面のすきまとどこで負けるかを見比べてください。

横から見た圧着端子と電線 かしめた所 いま引っぱっている力(目安の線に対する割合) 目安の線 0% かしめた所の断面(輪切り) 筒(バレル)=電線を差しこむ端子の筒。素線=電線の中の細い銅の線。断面と力の割合は説明のための作り物です

いまの様子:かしめ方を選んで、「引っぱってみる」を押してください。

動きは説明のための作り物です。抜けたり切れたりする力の割合は例で、本物の値は端子・電線・工具で変わります。目安の線は、本文の⑨で計算した引っぱりの強さの例(16 AWG で約133 N)のイメージです。

見てほしいのは、断面のすきまと負け方の違いです。ゆるいかしめはするっと抜け、かしめすぎは筒の出口で切れました。どちらも、正しいかしめより弱い力で負けています。

モレックスの圧着ハンドブックでは、かしめの深さが足りないと筒の中に空洞ができて素線が動き、ゆるむ原因になるとしています。逆に強すぎると、素線がつぶれて引き延ばされ、小さな力で切れたり、細くなった所の電気の抵抗が増えて温度が上がったりします。

上から順に見ていきます。1つでも不良のサインがあれば、端子を切り落として新しい端子でやり直します(同じ端子をかしめ直さない)

見る所よい状態不良のサイン起きること
筒の先素線の先がそろって、少しだけ見える(約1 mm 以内)素線が見えない/長く突き出す奥まで入っていない/相手の面に当たる
筒の根もと素線が1本も外にない素線が数本はみ出しているとなりにふれて短絡・断面積が足りない
かしめた位置筒の真ん中に跡がある先や根もとに寄っているつかむ長さが足りず抜けやすい
かしめた形穴の形どおりにそろっている跡が浅い/片側だけ深い・割れゆるいかしめ/かしめすぎ
カバー(絶縁付)割れ・穴がなく、被覆がカバーの中カバーが割れている・被覆が外絶縁が弱くなる・引っぱりに弱い
手で軽く引く動かない抜ける・電線が回るゆるいかしめ
正しいかしめ、ゆるいかしめ、かしめすぎの断面の違いを比べた図

圧着端子の選び方:4つの順番と判断表

ひとことで言うとつなぐ相手の端子の形 → ねじの太さ → 電線の太さ → 工具、の順に決めます。

握手でいえば、「だれと(相手)」「手の大きさ(ねじ)」「自分の手の大きさ(電線)」「握り方(工具)」の順に決める、という順番です。最初に相手を見ないと、端子を選び直すことになります。

左の条件に当てはまる行を、上から探します。最後の行は、どれにも当てはまらないときの決め方です

条件選ぶもの理由
相手がねじで締める端子で、外れると困る(動力・振動・止まると困る回路)R形ねじがゆるんでも抜け落ちない
相手がねじで締める端子で、付け外しが多いY形ねじをゆるめるだけで付け外しできる
相手が差しこむ端子台(プッシュイン式・スプリング式)棒端子撚線のまま差しこむと素線が折れる・一部しか入らない
相手がねじで上から押さえる端子台棒端子(端子台の資料で可否を確かめる)締めたときに素線が散らない
となりの端子が近い・指がふれやすい絶縁付端子(または絶縁キャップ)ふれても電気が流れにくい
迷ったら相手の機器の取扱説明書が指定する端子端子の幅・形を機器のメーカーが決めていることがある

ねじの太さが決まったら、端子の幅も見ます。端子台の端子と端子のあいだには仕切りがあり、幅の広い端子は入りません。カタログには端子の幅が書かれていて(たとえば R1.25-4 で 8.0 mm)、相手の端子台の資料にある「使える圧着端子の幅」と比べます。

端子を選ぶ前のチェックリスト
  • □ 相手の端子の形(ねじ・差しこむ・上から押さえる)を見たか
  • □ ねじの太さ(M3・M3.5・M4 など)と、端子の穴の呼びが合っているか
  • □ 端子の幅が、相手の端子台の仕切りに入るか
  • □ 電線の断面積(2本まとめるなら合計)が、呼びの範囲に入っているか
  • □ 裸・絶縁付・棒端子に合う工具と、穴の表示を決めたか
  • □ むき長さを、端子のカタログ・データシートで確かめたか
実務の判断のコツ

端子は電線から選ばず、相手の端子から選びます。同じ電線でも、相手が M3.5 のねじか、差しこむ端子台かで、使える端子がまったく変わるからです。盤の部品が決まった段階で、部品ごとに「ねじの太さ・使える端子の幅・棒端子の可否」を一覧にしておくと、配線の途中で端子が合わずに止まることがなくなります。

圧着端子を選ぶ順番の判定フロー

よくある失敗と、端子まわりの切り分け

ひとことで言うと端子が熱い・ときどき切れる・抜けた、は、ねじのゆるみ → かしめ → 呼びの不一致、の順に確かめます。

圧着端子まわりの不具合は、ふだんは見えず、ある日「ときどき止まる」「端子が変色している」といった形で現れます。握手が少しずつゆるんでいく様子を想像してください。

上の行から順に確かめます。左の列が今の症状に近い行を探してください。

症状・いつ出るかまず疑う原因確かめる場所・測るもの直し方
端子のまわりが熱い・変色しているねじのゆるみ、ゆるいかしめ(つなぎ目の抵抗が大きい)ねじの締まり、かしめた所の形、端子の色(電源を切ってから)ねじを締め直す。かしめが疑わしい端子は切って付け直す
機械が振動すると、ときどき信号が切れるY形の抜けかけ、ゆるいかしめ、素線の切れかけ端子を軽くゆすって表示が変わるか、筒の根もとの素線R形に替える、付け直す
端子が電線ごと抜けた呼びが大きすぎる、むき長さが短い、握り切っていない抜けた端子の筒の中(素線の跡が浅い)呼びと工具の穴を合わせて付け直す
ねじを締めても端子がぐらつくねじの太さに対して穴が大きい(M3 に M4 用など)端子の呼びのハイフンのあとの数字と、ねじの太さねじに合う呼びの端子に替える
注意|ここで間違えやすい

端子の変色や焦げのにおいは、つなぎ目が熱を持っているサインです。運転を止め、電源を切って検電してから点検してください。熱を持った端子を同じ所でかしめ直さず、端子ごと交換します。

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よくある失敗起きること防ぎ方
呼びの大きい端子に細い電線を入れるゆるいかしめで抜ける⑧の計算で範囲を確かめる。細すぎる線は2つ折りにする例もある(端子のカタログの注記に従う)
絶縁付端子を裸端子用の工具でかしめるカバーが割れる・かしめが浅い工具の適用端子を見る(⑩)
かしめた端子を、もう一度かしめ直すかしめすぎ・筒が割れる不良は切り落として新しい端子で
むいた素線をねじらずに差しこむ素線が筒の外にはみ出すより目に沿って軽くねじってから差しこむ
圧着端子まわりで、ゆるみ・抜け・かしめ不良を確かめる場所を示した図

よくある質問

Q. 圧着端子とは何ですか?

A. 電線の先にかぶせた金属の筒を工具で押しつぶし、電線と一体にして、ねじや端子台につなぎやすくする部品です。

Q. R形とY形の圧着端子の違いは何ですか?

A. R形は輪っかでねじがゆるんでも外れにくく、Y形はフォーク形でねじをゆるめるだけで付け外しできます。迷ったら R形です。

Q. 棒端子(フェルール)はいつ使いますか?

A. 差しこむだけの端子台や、ねじで上から押さえる端子台に撚線をつなぐときに、素線のばらけを防ぐために使います。

Q. 圧着端子のR1.25-4とはどういう意味ですか?

A. R形で、0.25〜1.65 mm² 程度の撚線に合う呼び 1.25、M4 のねじに付ける端子という意味です。範囲はメーカーの表で確かめます。

Q. 圧着工具は何でもいいですか?

A. いいえ。裸端子・絶縁付端子・棒端子で工具が違い、端子のメーカーが指定する工具を使います。握り切るまで開かない工具が安心です。

Q. 圧着がうまくできたかはどう確かめますか?

A. 素線のはみ出しがないか、先が少しだけ見えるか、かしめた位置が真ん中かを見て、手で軽く引っぱって抜けないことを確かめます。

まとめ:圧着端子は、電線と端子のちょうどよい握手

POINT
  • 圧着端子は、電線の先の金属の筒を工具でかしめて、電線と一体にする部品
  • ねじに付けるなら R形(外れにくい)か Y形(付け外しが早い)、差しこむ端子台なら棒端子。迷ったら R形
  • 「R1.25-4」は、呼び 1.25(撚線 0.25〜1.65 mm²)の電線を M4 のねじに付ける R形
  • 電線の断面積は「π×(直径÷2)²×本数」。KIV 1.25 mm² は 1.272 mm²、2本まとめると 2.544 mm² で呼び 2
  • 工具は端子の種類ごとに専用。端子のメーカーが指定する、握り切るまで開かない工具を使う
  • ゆるいかしめは抜け、かしめすぎは切れる。目で見て、手で軽く引いて確かめる

端子が決まったら、その端子をつなぐ相手(端子台・センサ・PLC)の選び方と配線へ進みましょう。

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シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

PLC・サーボ・インバーターを実務で扱ってきた電気・制御の設計者です。制御の記事は、選び方・設定の順番・止まったときの切り分けを、実務の判断のしかたから書いています。機械(材料・機械要素・図面)の記事は本職ではないため、JIS とメーカーの技術資料を調べてまとめ、出典を示しています。

次に読むべき記事

圧着端子の先には、センサや PLC の端子が待っています。つなぐ相手を知ると、端子選びの「相手から選ぶ」がもっと楽になります。

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